「規格外」を、そのまま価値に。OMO7旭川が提案する新しい木の使い方
日本有数の家具産地として知られる北海道・旭川。その周辺の森には、幹が曲がっていたり強度が足りなかったりして、建材としては流通できない木がたくさんあります。行き先はたいてい、紙の原料になるパルプか、細かく砕かれるチップ。でも今、その「規格外の木」に別の居場所が生まれています。
2本の木が、パルプではなく
テーブルと椅子になるまで

星野リゾートが運営する「OMO7旭川」は、2026年9月1日から11月3日まで、5階の屋外スペースで「旭川まちなか焚き火Bar」を開催しています。2022年に始まり、今年で5年目。
注目したいのは、会場の家具や装飾に使われている木の来歴です。
2025年、OMO7旭川のスタッフは「100年後により良い森をのこす」を掲げるwaft株式会社とともに、実際に森へ足を運びました。そこで選んだのは、白樺とオニグルミの計2本。
どちらも湾曲や強度不足から、製材には向かないとされていた木です。通常ならチップやパルプに加工されて終わるところを、歪みや年輪をあえて「個性」として残したまま、旭川家具の技術でテーブルや椅子、モニュメントへと仕立てました。
歪みを「直す」技術が、
歪みを「活かす」技術に変わる

旭川の家具づくりは、木の反りや曲がりを矯正して均質な製品に仕上げることで評価されてきました。いわば「不揃いを揃える」技術です。
ところがこの焚き火Barでは、同じ技術が逆の方向に使われています。曲がった幹をまっすぐにするのではなく、曲がったまま安全に座れる椅子にする。年輪の凹凸を削り取るのではなく、手触りとして残す。
技術そのものは変わっていないのに、目的が反転しているのが面白いところです。
waft社が実践する「保全型林業」は、一本の木から引き出せる価値を最大化するという考え方。林業で伐り出した木を、加工し、空間の演出にまでつなげる。一次産業から三次産業までを一本の木で貫く試みです。
「規格外」は、本当に
価値がないのか

会場は3つのエリアで構成されています。旭川家具に囲まれた癒しエリア、森の中にいるような天井装飾が施された小さな森エリア、そして丸太のテーブルと切り株の椅子が並ぶアウトドアエリア。
2026年の新企画として、旭川市のシンボルツリーであるナナカマドの蒸留水を使ったアロマスプレーづくりのワークショップも始まりました。剪定で毎年廃棄されていた枝葉が、香りという形で持ち帰れるものに変わります。
規格外だから価値がない。私たちは木材に限らず、食べ物でも、働き方でも、その前提をつい受け入れてしまいます。でも、たった2本の曲がった木が客の座る椅子になっている光景は、その思い込みを静かに問い直してくれるのではないでしょうか。
旭川まちなか焚き火Bar
【会場】OMO7旭川 by 星野リゾート 5階屋外スペース(北海道旭川市6条通9丁目)
【期間】2026年9月1日〜11月3日
【時間】19:00〜23:00
【入場料】無料(宿泊者・日帰り客ともに利用可)
【ドリンク】500円〜
【フィンガーフード】1,800円〜
【ナナカマドアロマスプレーWS】毎週金・土限定(9/26・10/3・10/10を除く)19:00〜21:00/1本1,000円
【公式サイト】OMO7旭川






