禁止するより、土をあげよう。公園の問題を解決したニュージーランドの逆転発想
公園で子どもたちが地面を勝手に掘り返していたら、大人はどうするでしょうか。危険だからと叱るのが普通かもしれません。
自転車メディアのシングルトラックスによると、ニュージーランドのセルウィン地区議会は、叱る代わりに驚くべき行動に出ました。
排除のいたちごっこから
「素材の提供」へ
同地区の公園では、子どもたちがマウンテンバイクのジャンプ台を作ろうと、土を掘り起こすケースが相次いでいました。
公共の芝生や植物を傷つける掘削は、本来なら器物損壊にあたる行為です。行政が重機で埋め戻しても、別の場所がまた掘られるという、いたちごっこが起きがちです。
地区議会の公園運営マネージャーを務めるキーラン・ウォール氏は、子どもたちを締め出す代わりに、外で体を動かしたいという欲求を前向きに捉えました。
同議会は学校の休暇に合わせて、リーストン、リンカーン、タイ・タプの3か所の公園に、ジャンプ台作り専用の盛り土をトラックで運び入れました。子どもたちに「自分たちの手で自由にコースを作っていい土」をプレゼントしたのです。
看板ひとつで生まれた、
小さな共創の場
土の山には専用の案内板が立てられました。そこには、公園のほかの地面を掘らないことや、危険な資材を持ち込まないこと、巨大にしすぎないことといった、ごくシンプルな約束ごとが記されています。
もし危険な形になったときは自治体が直すことや、ゴミの持ち帰り、自己責任で楽しむことも伝えられました。さらに看板には、意見を送れる二次元コードも添えられました。
同議会のデニス・キャリック議員は、土の中で遊び、創造することこそ子どもがすべきことだと語っています。
この試みは子どもたちや地域から好評を博し、議会はより固めやすい粘土質の土を追加搬入するとともに、別のフォスター公園へも対象を広げることを決めました。
高額な予算をかけて立派なパークを作らなくても、少額の土を届けるだけで、公共の緑を守りながら子どもの居場所が生まれます。禁止の看板で縛るのではなく、ルールと一緒に素材を手渡してみる。公園はもっと豊かでクリエイティブな場所に変わるのではないでしょうか。






