校庭で育てたサツマイモでつくる「原宿外苑干し芋」って知ってる?

渋谷区立原宿外苑中学校。流行の発信地・原宿の中学校で、今、あるプロジェクトが注目を集めている。それは、校庭で育てたサツマイモを使い、生徒自らが商品開発まで手掛ける「干し芋プロジェクト」だ。

都会の一角で実現した
地産地消による「食」と「地域」の学び

このプロジェクトは、「株式会社壮関」との共同企画らしい。「原宿で育てて、原宿で売る」をコンセプトに、2025年3月17日から限定販売された「原宿外苑干し芋」は、都会の真ん中での食育と地産地消を体現した商品として、大きな可能性を秘めている。

原宿外苑中学校では、以前から給食の食品残渣等を活用したコンポストによる「土づくりプロジェクト」に取り組んできた。壮関とのコラボレーション企画である「干し芋プロジェクト」は、その活動の延長線上に生まれたもの。

原宿外苑干し芋」の原料となるサツマイモは、生徒たちの手によって校庭で栽培された。都会の一角で農業体験を通して、食の大切さや地産地消の意義を学ぶ貴重な機会となっている。

壮関のマーケティング部員である椿原淳史氏は、今回のプロジェクトについて以下のように語る。

「原宿で育てた作物を商品としてカタチにし、原宿で売るというこの取り組みを永続的に継続し、原宿・表参道の方々や、お客さんとして来られた方々に喜んでいただけるようサポートしていきたい」。

生徒の感性が光る
パッケージデザインにも注目

「原宿外苑干し芋」のパッケージデザインは、中学3年生4クラスの生徒たちが授業の一環として制作したそうだ。生徒たちは、実際に干し芋を食べた感想や原宿の街のイメージを膨らませながら、個性豊かなデザインを考案。

パッケージデザインを担当した生徒の一人、松村布記子さんは、「原宿のビル群の上を、思い思いの服を着た若者が浮かんでいるところをイラストにしました。実際に干し芋を食べたとき、とても美味しかったのでパッケージの子たちも干し芋を食べて、その美味しさに感動して空に浮かんでしまったようなシチュエーションをイメージしました。貴重な体験になりました」とコメント。

生徒たちの自由な発想と、商品化という目標に向かう真剣な姿勢が、魅力的なパッケージを生み出したといえるだろう。

©株式会社壮関

限定100パック!
原宿発の干し芋がもたらす未来

数量限定で販売される「原宿外苑干し芋」は、330円(税別)。東急プラザ原宿「ハラカド」内「小杉湯原宿」ほか、原宿・表参道のショップで購入可能だ。

今回のプロジェクトを通して、原宿外苑中学校の生徒たちは、食育や地産地消だけでなく、商品企画デザインの重要性、そして持続可能な社会の実現に向けて自分たちにできることについて考えるきっかけを得たのではないだろうか。

壮関は、今回のプロジェクトを皮切りに、今後も全国各地の学校や企業と連携し、地域貢献と社会課題解決に取り組んでいく方針だという。「原宿外苑干し芋」は、単なる商品としてだけでなく、都会における新たな食育のかたち、そして地域と学校、企業をつなぐ架け橋としての役割を担っている。

Top image: © iStock.com / Rudimencial
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