「父の死」をきっかけに気づいた、人生で本当に大切なこと
誰にだって、生きていればどうしようもなく落ち込む瞬間が訪れます。そのなかでも最もつらい経験のひとつが「身内の死」かも知れません。ここで紹介するのは、大学時代に父親の死を経験した女性ライター、Kelly Weatherwaxさんが「Elite Daily」に綴ったコラムです。
彼女の経験は、自分の身の回りにある「小さくも大切な存在」に気付かせてくれる普遍的なものでした。
それは雪のふる感謝祭の朝の出来事でした。
「ボブ、起きて!」と叫ぶ母の声に起こされました。眠い目をこすりながら猛スピードでベッドから飛び起きて、恐ろしい出来事が起こったことに気付いたのです。
両親の部屋に駆けつけると、母が父の体に覆いかぶさるようにして、むせび泣いているのが見えました。父はまるで寝ているようでしたが、そばに駆け寄ると紫色に変色していて、死んでしまったのだとわかりました。妹はベッドのそばで泣いていて、弟はパニック状態で911に電話をしていました。
父の死は早すぎました。救急医療隊員が到着しても、母は父の死を受け入れることができず、何かの間違いだと信じているようでした。
救急車に乗ると、救急医療隊員は父を器具に乗せて心臓マッサージを繰り返していました。心臓発作でした。父はまだ43歳で、21歳、18歳、14歳、10歳の子ども4人と母を残して逝ってしまったのです。それから今、ようやく6年が過ぎました。
笑顔でいられなくなったとき、いつもその一瞬一瞬を思い出します。一度どん底に落ちた経験から私は「人生で本当に大切なこと」を学んだのです。
01.
人生で出会うすべての人、
ものへの感謝の気持ち
とてもありきたりに思えるかもしれませんが、大切なことです。毎日会ったり、話している身近な人に感謝する気持ちは忘れがちですが、みんな永遠に生き続けるわけではありません。いなくなってからでは、遅いのです。大切な人に感謝の気持ちや愛情を伝えましょう。
ものだって同じです。人生は変化します。気がつくと大切なものがなくなっていることがあるかもしれません。いつもあなたの周りいる大切な人やものに感謝する気持ちを忘れないように。
02.
とにかく
やってみること
失敗を恐れず、とにかくやってみることです。何事も待っていては始まりません。とにかく人生は、勇気を出して前に進むしかないのです。
負の感情に打ち勝ち、人生を自分でコントロールするには、とにかくやってみることが大切です。
03.
親身になって
支えてくれる人の
ありがたさ
友だちや家族、そのとき周りにいてくれた大切な人々の存在なしに、あの苦しい経験を乗り越えることはできませんでした。
親友、あるいは兄弟姉妹、あるいは恋人か、それが誰かは人によって違いますが、親身になって支えてくれる人がそばにいてくれるのは、とてもありがたいことです。
逆にあなたを危険にさらすような人との関係は、避けるようにしましょう。あなたの気分を落ち込ませてしまうだけですから。
04.
「感じる」ことの大切さ
人生のなかで、限界を感じてしまうことも多いかもしれません。物事がどんどん悪い方向へ向かってしまうのではないかと不安になると、身動きすらとれなくなり、感情のスイッチもOFFになってしまいます。でも気付いたんです。謙虚でいながらも大胆な挑戦をやめないこと。そうしていくことで、成長していける、と。
悲しい経験から何年もの月日が経ち、振り返って思うのは、あの経験が私を強く、謙虚で、勇敢にしてくれたという事実。あの時感じた心の痛みが、今の自分を形成する柱となっている。これからも、きっとそうなると感じます。
05.
人生の節目に
ある人と巡り合った意義
人はいつか必ず死を迎えます。突然、あなたの人生から去って行くことになる人もいるでしょう。それでも、忘れないでおきましょう。人生で出会った人々は、必ず何かしらの意味を持ってそこに存在していたのです。
06.
今という時間の「尊さ」
ぬるま湯のような生活をしていたとき「生きている」ことの素晴らしさなんて感じたことありませんでした。でも父の死をきっかけに、こんな生活を続けるのはやめようと思ったんです。些細なことでも丁寧に、一瞬一瞬を大切に生きていこう、と。
私は大学2年生になる夏に、ニューヨークへ行く決心をしました。まるで滝から飛び降りるみたいに勇気がいる決断でした。
大切なことは、そういう行動や経験が、私を前進させたということ。すべての思い出はきっと永遠にあなたのなかで生き続け、人生を前へと進めてくれるでしょう。
人生は誰にだって一度きりです。目一杯楽しみましょう。辛い思い出だけで、あなたの人生を壊してしまわないようにしてください。