最愛の人の「生きた証」を、孫のそのまた孫に伝えるために。

たしか、クリスマス近くだったかな。まだ小さかった私は祖母の家に遊びに行くたびにおばあちゃんの使っていたクローゼットに忍び込んでいたっけ。いつも、アクセサリーや靴をしまった箱をこっそりと開けて眺めていたの。

 

大好きな特別な時間。大きくなってクローゼットに忍び込むことができなくなったときは、とても悲しかったわ。

これは、亡くなった人の人生を絵本にする「Fourbears」プロジェクトの企画者であるJuliette Eamesと今は亡き愛する祖母との思い出だ。

彼女と彼女の祖母にとっては、キラキラと輝く宝物のような記憶だけど、誰かに伝えるのは難しいこと。でも、どうしても自分の子どもたちにもステキなおばあちゃんとの思い出を心に残してもらうため、Julietteは“人生の物語”を読み聞かせることをひらめいたのだった。

おばあちゃんの青春時代を

自分の子どもたちのためにつくった“祖母の物語”は、ダンスが好きだったときの10代の頃も描かれている。Julietteも実際には見たことのない、若かりし日の姿。

当たり前のことだけど、彼女のおばあちゃんは一人の女の子として生まれ、恋人ができ、結婚して、子どもが生まれて母になり、子どもが結婚し、そして孫が生まれ祖母となった。

長い時間が経て、ようやくJulietteのおばあちゃんに。どんな青春を送ってきて、家族から愛される大切な人になったのか。その人生が一冊の本になっているのだ。

世界中にあるどんな絵本よりも愛情をもって、「永遠」に読みたくなる本。Julietteの子どもに読み聞かせ、彼らが大人になったとき、また“おばあちゃんの物語”はその子どもたちに受け継がれていくのだろう。

同じように大切な誰かを亡くした家族のために、一時的に絵本制作を承っていたJuliette。今はキャンペーンが終了してしまったけれど、目標の倍の額となるほどの注文があったみたいだ。

依頼を受けた人々の家には、今月中に絵本が届くそうだ。きっと愛を感じる最高のプレゼントになるんだろうなぁ。

Licensed material used with permission by Juliette Eames
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。