世界トップレベルの教育水準!フィンランドが実践する「総合学習」が大切な理由って?

学校ではみんな国語・算数・理科・社会など、各科目ごとに授業を受けたものですよね。でも、教育水準の高さで知られている北欧では、そんな科目ごとの授業には重きを置いていないのだとか…。

じゃあどんな授業やってるの?と思ってしまいますが、どうやら大切なのは総合学習にあるようです。

科目ごとの授業はナシ!
ストーリー仕立ての課題で
実生活に役立つ勉強法を

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海外メディア「QUARTZ」によれば、ノルウェー・オスロにある学校では、1970年代以降に行われた教育改革から、もう40年近くも総合学習を基本とした教育が行われており、それが大きな成果として見えてきているとか。

重要視されているのは、科目ごとに専門的な知識を教え込む方法ではなく、ストーリーごとに問題を捉えること。目的のために何が必要なのかを考え、議論し、グループの力で解決していく「やりながら学ぶ精神」のようなものを大切にしているようです。

エベレストを登るためには
「英語」も必要

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例えば、授業ではこんなストーリー型のタスクが生徒達へと与えられます。エベレストを登るためにはどうしたらいいのか?正確なルートを把握するためには、地図を読めなければいけません。また、山の天気は命に関わる大問題。天気図や、気候変動を読む力も必要です。

頂上まで昇るための最短ルートを割り出したり、必要な道具をリストにすることも大事だし、どれだけ時間や予算がかかるのかを計算することだって。英語をつかって山を登るための申請を行う必要もありますよね。

エベレストを登るというタスクを完了するためには、膨大な量の情報を探し出し、議論を重ねながら解決していく必要があるわけです。それはまさに人生のロールプレイングとも呼べるものなのかもしれません。

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この方法は、教育水準において高いランキングを維持しているフィンランドでも基本的な学習方法として取り入れられているもの。日本でも、一部実践はされていましたが、教える側としても科目ごとの指導ではなく、チームとして総合的にアドバイスを行う必要があるため、実施するには難しい点が多々あるようです。

年間授業日数も少なく、勉強時間も日本と比べて断然少ないフィンランド、子供にとっては天国かも…。

長期休暇中の宿題はナシ!

finland001日本と比較してどんなところが違うのか、フリーマガジン「WASEDABOOK」ではフィンランド出身で日本での生活経験も豊富な坂根シルクさんの意見が掲載されています。

幼少期に日本で教育を受けた自身の経験と、子供にフィンランドの教育を受けさせた経験から比較すると、宿題や長期休暇の内容にも大きな違いがあるのだそう。

例えば、日本と比べフィンランドは毎日の宿題がたくさん出る代わりに、長期休暇の期間が長く(夏休みが2ヶ月半くらいあるらしい…。)、お休み中には一切課題が出ません。それは子ども達にも、親にとっても本当に休める環境があるという証拠で、脳や心にいい影響を与えているのではないかと考えられているようです。

また、教育に対する意識の違いも。受験や就職のための勉強にならず、生きていく上で大切なことであるという共通認識があるため、毎日の勉強に対するモチベーションが異なるのだそう。

生徒、教師、両親
誰もが納得!

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THE INDIPENDENT」によれば、実際に新しい総合学習のために訓練をうけた教師達は、こう語っているようです。

「マインドセットをガラッと変える必要があり、最初のステップを踏み出すのは難しかった。でも、一度こっちの方法を試したらもう戻れない」

統計によれば、教師、生徒、親、その全てに利益となる効果が見られているようで、両親からの満足度も信じられない程高いのだとか。

理由は、学習がその後の社会生活に直結して、役立つものという安心感があるからで、技術と知識と個人の内面的成長を見込める学習方法として、今後もとても期待されているようです。


科目ではなく、テーマを絞って学習を行うという新しい方法ですが、ヘルシンキの教育部門マネージャーであるMarjo Kyllonenさんは、こんなことを語っています。

「1900年代はじめに考えられた勉強法が、多くの学校で未だに実施されています。ニーズは常に変わり続けているため、21世紀に合わせた新しい方法が必要です」

小学校や中学校の頃、ほんの少しだけあった総合学習の時間。確かに自由で楽しかった記憶があるような…。今後はそれがスタンダードになっていくのでしょうか。

まだまだ、授業の形式をすべて総合学習に落とし込むには時間がかかりそうですが、どんな違いが現れるのか気になりますね。

Reference:QUARTZ , CLASE ,  THE INDIPENDENT

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