トップCAが経験から学んだ、人間関係を円滑にする「7つの気くばり」
職場でもプライベートでも、人間関係は難しいもの。最近はSNSの登場でさらにその関係は特殊になってきました。そんな中、人と人との関わりあいを円滑にするのが「気くばり」です。ここでは、CAの経験の中で培った、気くばりのヒントを紹介します。
01.
連絡はタイミングが命
短文でもいいのでスピーディに
電話やメールをしようと思いながら、言い方や文面に気を使いすぎて連絡をためらうことはありませんか。しかし、お礼のメールや相手が気にしている状況などは短文でもいいのですぐに伝えることが「気くばり上手」の秘訣です。
文面に困っても、ごあいさつだけなら短文で十分。完璧な文面を考えるよりも、タイミングよく連絡することの方が重要です。感謝の気持ちを伝えるときも、スピーディーに伝えたほうがスマートです。よく考えてから…と思っていると、時間があいてしまい、どんどん連絡しづらくなってしまうもの。タイミングよく連絡することを心がけましょう。
02.
体調が悪そうな人がいたら
まずは静かに様子を伺う
身体の調子が悪い時はだれでも弱気になります。そんな時に優しく気づかわれると心に沁みるものです。しかし、大げさに対応するのはNG。体調が悪い時にあれこれ言われるのはうっとうしいものですし、特に男性は体調が悪いことをまわりに知られたくない傾向にあります。何かしてほしそうな素振りをされたり、目が合った時、すぐに伺えるように準備しておく程度にとどめましょう。
あれこれせずに、まずは静かに様子をうかがうこと。お加減が悪い方が安心して過ごせるよう、さりげないサポートを心がけましょう。
03.
常に周りに目を向け
“孤立した人”を作らない
チームの中にはまれに孤立してしまう人がいます。どのような仕事でも、仲間との協力は必要不可欠。まずは孤立した人がいないか、食事に行く時、休憩時間、雑談しているときなどの様子に注意しましょう。できるだけ孤立した人もチームに溶け込めるよう努力します。
たとえば、露骨にならない程度に会話に加わりやすい話題を振るようにしましょう。出身地のことや趣味、特技などはだれでも発言しやすい話題です。孤立している人がいないか常に目をくばり、発見したら早目に声をかけてみましょう。
04.
褒め上手になる秘訣は
相手をよく観察すること
人をほめることが苦手だという方がいます。それは「お世辞に聞こえるのではないか?」「機嫌を取るようで恥ずかしい」というためらいがあるからでしょう。しかし、本心からの言葉でほめれば、相手にはちゃんと伝わります。
人をほめるのが上手な人は相手をよく見て、その人がこだわっているポイントやがんばっている部分に気づくのが上手い。そして必ずそれを言葉にして相手に伝えるのです。そうすると、相手との接点がいつもポジティブなところからスタートします。相手と壁を作らず、打ち解けて心を開いてくれるようになります。
ちょっとしたことでいいのです。自分が素敵だと思ったり、いいなと思った部分は素直に言葉に出して相手に伝えてみましょう。その一言が場の空気をなごませ、相手の心を開くきっかけになるかもしれません。
05.
悪口・愚痴は「聞こえないふり」
人が何人か集まると、上司や仲間への不満、仕事の愚痴などの話題になることはよくあります。そういう場合は、うまく聞こえないふりをするのがいいでしょう。その場に一緒にいるだけで同調しているように取られかねないので、話題がそちらのほうに流れたら、なるべく同席しないのが無難です。
また、その手の話題を「ここだけの話だから」などと念を押すように言う人がいます。しかし、「私はそう言われると逆に絶対言いたくなるから、聞かせないで」と返事をします。私のほうからその場を動いたりはしません。すると、相手のほうが後ろめたくなるからか、場所を移すようになりました。
愚痴や悪口に、同調したり共感したりしないことで、防波堤になることができます。ウワサ話や悪口を広めることに協力しないよう気をつけてください。
06.
お客様の意見をヒントに
具体的な改善策を考える
クレームはだれでも受けたくはありません。しかし、お客様の声には自分や会社が成長するヒントが隠されている場合が多いのも事実です。ご指摘くださった方に「言ってよかった」と感じていただけるような対応を目指しましょう。
クレーム対応のハウツーとしてよく言われるのが、「相手のお話をよく聞く」「心からお詫びする」ことですが、これだけでは不十分。これだけだと、言わせるだけ言わせてお客様のガス抜きをすればいい、という対応になりかねません。
お客様は「改善」を求めているのです。必ず一つは、具体的な行動を起こしましょう。完全にご満足はいただけないかもしれませんが、きっと納得いただけるはずです。改善できる部分は改善し、お詫びする部分はきちんとお詫びする。この基本を忘れてはいけません。
07.
上司の信頼は1日で得られない
自主的にサポートを申し出る
上司に頼みごとをするというシチュエーションもよくあるでしょう。しかし、相手が相手ですから、同僚や後輩のように気軽にお願いするわけにはいきません。
まず覚えておいてほしいのは、ここでベースになるのはあなたの日頃の仕事ぶりだということ。普段からやるべきことをきちんとこなしていなければ、上司を動かすことはできません。ポイントは、「上司の頼みごとを快く引き受ける」という実績を残しておくこと、そしてこちらからの頼みごとはここ一番というときだけにすることです。
大切なのは、自分への信頼と、相手へのロイヤリティ。忙しそうな時に自分からサポートを申し出たり、調べ物をしたり、自主的にお役に立つようなことをすれば、上司も一目おいてくれるでしょう。日ごろから上司のことを考え、上司のために動くのが一番の近道です。
『「また会いたい!」と言われる女(ひと)の
気くばりのルール』
コンテンツ提供元:里岡美津奈
人材育成コンサルタント。1986年全日本空輸株式会社(ANA)に入社。在職中、VIP特別機搭乗を務め、皇室、各国元首脳の接遇で高い評価を得る。2010年に退職。現在は人材育成コンサルタントとして、一般企業や病院でコミュニケーションスキルアップの指導にあたっている。