イチローが教えてくれた「5つのこと」

「いま、小さなことを多く積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道なんだなというふうに感じています」

これはイチロー選手が、メジャーリーグの年間安打数の記録を破ったときのコメントです。さまざまな記録を叩き出している非凡な選手に見えるイチロー選手も生まれついての天才ではなく、小さなことを積み重ねた末に高みまで辿り着いたのです。この言葉は、ひとつひとつは小さなことでも、継続することが結果を生み出すという普遍的なことを教えてくれます。

01.
努力とは、意欲ではなく
習慣の問題である

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とんでもない結果を出す人は、人とは違う努力をしていたり、生まれつき特殊な才能を持っているものだと考えがちです。イチロー選手が過去に残してきた成績は特別なものですが、彼が行なってきた努力の内容は少しも特別なものではありませんでした。

「自分でやること、やろうと決めたことに対しては、手抜きしないことです。そこで手抜きをしていたら、たぶんそっぽ向かれると思いますよ。おまえ、自分が決めたこともやれないのか、というふうに思われちゃうでしょうからね

イチロー選手を偉大なメジャーリーガーに仕立て上げた秘密は、自分がやると決めたことは何があっても万難を排してやるという、長期間にわたって習慣として持続させる継続力。そもそも一流と呼ばれる人々は、当たり前のことを当たり前に行なう習慣をもっているのです。調子のいいときや、やる気のあるときなら誰でも努力はできます。肝心なのは、やる気があろうがなかろうが、やるべきことをいつも通りこなせるかどうかです。

02.
苦痛を習慣化し
「地味な努力の天才」を目指せ

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「やりたいこと」と「やるべきこと」。その綱引きがはじまったとき、多くの人は「やりたいこと」の方に軍配を上げてしまいます。なぜなら「やるべきこと」とはたいていの場合、苦痛をともなう作業であるからです。

「僕を天才と言う人がいますが、僕自身はそうは思いません。毎日血の滲むような練習を繰り返してきたから、いまの僕があると思っています。僕は天才ではありません」

イチロー選手が長けていたのは、子どものときから「苦痛の習慣」を自分に義務づける意思力があったこと。プロ野球選手になろうという自覚が芽生えはじめた小学3、4年生のころ、父親に連れられてバッティングセンターに通っていたといいます。マンガを読んだりゲームをしたりという子どもらしい快楽の習慣を抑制し、バットの素振りやマシンでの打ち込みなど苦痛をともなう作業をルーティンワークとして自分に課すことができた彼は、「努力する天才」だったのです。

03.
簡単なことほど奥が深く
単純なことほど難しい

相手を変えることは難しいですが、自分を変えることならすぐにできます。それは仕事もそう。自分に合う仕事がないかと考えるのではなく、目の前にある仕事に合わせて自分を変えられるかどうかを考えることが大切です。

「びっくりするような好プレーが、勝ちに結びつくことは少ないです。確実にこなさないといけないプレーを確実にこなせるチームは強いと思います」

ホームランを打つのは確かにすごいことですが、それよりもコンスタントにヒットを打ち続けるほうがはるかに難しいもの。ひとつひとつのヒットを大事にし、コツコツ積み重ねていくことが最終的にチームを勝利に導くのでしょう。雑用は雑に扱うことで雑用になり、ていねいに扱えばそれは「仕事」になるのです。

04.
新しいことよりも、
いままでやってきたことを
変わらずやり続ける

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現代は高度情報社会。情報量の増大とともに選択の幅も広がり、ひとつの分野に愚直に打ち込む行為を低く見て、マルチで多彩な才能を必要以上に持ち上げる風潮があります。

しかし。選択肢が多いということは迷いも多いということ。あれこれ目移りしてしまうことで、どれも自分のものにできない結果を招いてしまうこともあります。

「僕にとって、これからやるべきことで新しいことは何もない。これまでやっていることをできるかどうか」

いろんなことが70点どまりの人と、あるひとつのスキルに関しては100点の人、社会が評価するのはどちらの人でしょうか?残念ながら社会が評価するのは、あなたのいちばんの才能であって、2番目以下の才能などほとんど評価の対象にはならないのです。新しいものごとに次々と飛びつくのではなく、自分が努力し続けられるひとつのことを深く掘り進むことで、それがいずれ自分の天職となるのでしょう。

05.
将来の夢を語るひまがあったら、
黙っていまやるべきことに集中する

Photo by Brian Blanco/Getty Images Sport/Getty Images

「がんばる」「一生懸命」。日本人はこういった精神を美しいと感じるメンタリティを持っているようです。もちろんがんばることが悪いわけではありません。しかしプロの言葉ではないのです。プロにとって「がんばる」とか「一生懸命やる」のは当たりまえのことで、わざわざ表明するようなことではないのです。

「どうしても勝たないといけないです……これについては、気のきいたことは言えない。当たりまえのことしか言えない」

プロ意識とはこういうもの。がんばらなくても結果を出せる人と、がんばっても結果が出ない人。プロの世界で評価されるのは前者なのです。

「がんばる」が口癖になっている人ほど、やればすぐにでもできることを先送りして、「いま」始めようとはしません。だからこんな言葉は封印してしまいましょう。過去を悔いるでもなく、未来を夢みるでもなく、いまだけに全力投球しましょう。

Top Photo by Brian Blanco/Getty Images Sport/Getty Images
イチローの成功習慣」に学ぶ
コンテンツ提供元:サンマーク出版

児玉光雄/Mitsuo Kodama

鹿屋体育大学教授。日本スポーツ心理学会会員。20年以上にわたり、臨床スポーツ心理学者としてプロスポーツ選手のメンタルカウンセラーを務める。また、プロスポーツ選手・スポーツ指導者のコメントに対する心理分析も行い、日本で数少ないエキスパートとして知られている。

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