親友の恋人を好きになったらどうするべきか?哲学が教えてくれる「恋愛7つの真理」

私は様々な恋愛をしてきた。ちょっと他ではないようなハードな体験も。そんな中で、「恋愛とは一体なにか?」を考えてきた。ここからは、私の特異な恋愛経験をもとに、「恋愛の真理」について語っていこう。私たちはどうしたら幸せな恋愛をすることができるのだろうか。

私の特異な恋愛体験
-part1-

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01.
他人の影響で作り上げた、自分という人間像はいらない

私は好きになってはいけない人を好きになってしまった。それは当時一番仲がよかった親友の恋人。

私たちは自分で意識するほどではない微々たる「自己の矯正」の積み重ねにより、知らず知らずのうちに他者の意見により自分という人間像を固めてしまっている。他者の目や他者からの評価など「他人を意識するがあまり、自分で自分を制約している状態」である。「他者の意見を取り入れながらつくった自分」と「自由な本心のままの自分」との間に距離が生じてしまうのだ。

私は親友ではなく彼を選んだ。彼は親友と別れ、私たちは正式に交際をスタートさせた。私も彼も、「本心のままの自分」を選んだのだ。私は彼と付き合えたことを心から嬉しく思っていたが、「私が望んだ幸せが親友にとっての不幸と直接的に結びついた」がために、切なさのようなものが不消化なまま心に残っていた。

02.
残酷な決断を重ねるほど、生きていく強さが身につく

人は誰であろうと、人生の様々な場面で自分の意志や立場を確立する場合に残酷な選択を迫られる瞬間が訪れる。私は親友と彼のどちらを選ぶかという葛藤に悩み、苦しんだ。

そのような状況に直面したとき、「同情」を理由に選択することから逃げてはいけない。自分が自ら手を下す間接的であるかは状況によりさまざまであるが、悪者になりたくないという考えは偽善的な考えではないだろうか。決断というのは、文字通り「何を断つか決める」ことでもあるのだ。そして「決断」には強い自分の存在が必要不可欠でもある。

親友と決別し、彼と付き合うようになって私は変わった。変わるということは、過去の自分を捨てる行為ではなく、過去の自分が持っていなかった価値観を持つ自分として生きていく行為なのだ。人は残酷な選択と決断を通じて、生きていく強さを身につけることができるのである。

03.
「アイドル化した恋人」ではなく
「現実の好きな人」と向き合うべき

恋人のことを好きになればなるほど、相手に対して偶像的価値、つまりアイドル性を求めてしまうので、自ずと期待値が高まりすぎてしまう。期待でいっぱいとなった気持ちは、信仰心や崇拝に近い。そこまで気持ちが高まってしまうと「現実の恋人」ではなく「頭の中で理想とする美化された恋人像」に恋をしている状態である。

知らず知らずのうちに「現実の恋人」に「理想とする美化された恋人像」を押しつけてしまい、「現実の恋人」に失望するというひとりよがりな恋となってしまうのだ。このような「美化された理想の恋人像」は「イデア」と呼ばれている。イデアというのはソクラテスの弟子であったプラトンが唱えた概念であり、人は心の中に描いている理想的なものを追い求めて生きているといった考えだ。

私はいままで「現実の好きな人」ではなく「好きな人のイデア」を追い求め、イデアにほれ込んできた。しかし、ある恋愛をきっかけに私はイデアではなく現実の好きな人を受け止めることを覚えた。自分を律するという手段を取ることで、現実の好きな人と初めて向き合おうとしたのだ。

04.
「己の不安の解消」を恋人に求めてはいけない

彼は私よりひとつ年下で、精神的に脆すぎる男性だった。おそらく私は彼を見て、多少の優越感を覚えていたのだろう。そして彼が他の女性のところに行ってしまうかも、という不安を消すために、彼に圧倒的弱者であることを薄々、自覚させて予防線を張った。今までの交際相手と贅沢をした思い出を余すことなく語り、気高い女を気取っていたのだ。僕なんて今までの彼氏には敵わないです…と悲しみに満ちた表情で自信のなさを吐露する彼の姿を見て、私はホッと胸をなでおろしていた。しかし、そのような自分勝手な行いを繰り返し、仲が発展するはずもない。次第に私と彼は「本心を隠した社交辞令」で会話を埋め尽くすようになっていった。

幸福な恋愛をするにあたっては、自分の幸せを追求しすぎることは、幸せを逃す最大の要因となる。彼との関係の中で私が追い求めてきた幸せは、己の不安の解消だけ。その後、私と彼は一切会うことはなかった。自然消滅と呼ばれる、誠意のない終わり方で幕を閉じた。

私の特異な恋愛体験
-part2-

Legs of a young woman lying in her bed sleeping at home01.
彼氏のベッドに裸の○○が!
信じる気持ちが噓を見抜けなくする

哲学者には変態が多いのだが、当時私には変人の恋人がいた。そしてある日、事件は起こった。
サプライズで彼を驚かしてやろうと合い鍵で彼の家に入り、散らかった部屋を片付け、寝室に彼を起こしに行ったのだ。いたずら心で「おはよう、起きてー!」と大声とともに布団をひっぺがすと、布団で寝ていたのは彼ではなく、一糸纏わぬ姿の見知らぬ美少年。

その後、目覚めた美少年は私を食事に誘って帰っていったが、私は恋人が家を空けている隙に、こっそり詮索を試みた。安心材料となり得るものを探り当て、無理矢理でも彼は潔白であると自分に言い聞かせたかったのだ。

ヒルティは「人間は他人の嘘にはたやすく気づくものであって、ただその嘘が自分におもねるときか、あるいはちょうど都合のよいときだけ、それを信じるのである」と考察している。私は彼のベッドに裸の美少年がいたという事実を目の前に突きつけられたにも関わらず、まだ彼を信じる材料を探していた。本当か嘘かではなく、「信じたいか信じたくないか」によって判断していたのだ。

02.
ヒントはいくらでもあったのに…
不都合な真実は見落としてしまうもの

好きな相手の言動や行動のひとつひとつを、喜劇にも悲劇にも拡大解釈して受け取ることで恋は盛り上がっていると言っても過言ではない。恋愛において「信じたい」「信じたくない」のどちらの気持ちが強いかによって多少の思い込みは可能であるが、自分を騙し通せないほどの証拠が存在し、思いが一転することもある。

彼の部屋の詮索を開始して1時間。大きなアタッシュケースが出てきた。中からは見たことのない男性用セクシーランジェリー、潤滑ローション、電動式の卑猥なグッズなどが大量に出てきた。何に使うかまったく想像もつかない謎の液体もあり、商品名をネットで検索したところ、メイドインUSAの「同性愛者専用の媚薬」であった。

私は証拠の山を目の当たりにし、精神を防御することもできず、目の前に広がる衝撃的な事実をただ受け入れるしかなかった。いま思い起こせば怪しい出来事はあった。寝言で、男性の名前を何度もつぶやいていたのを私は思い出した。ヒントはあったのに、私は気にも留めていなかったのだ。

03.
「痛み止め」を打ちながら恋愛しても
ただただ、虚しいだけ

このような不条理な現実を突き付けられても、なぜか私は彼が好きなまま。しかし、彼の秘密を知ってしまった。ありのままの自然な幸せと誤魔化し、忘れ去ることが条件の幸せとではまったく違う。幸福になりたいと思うのならば、自分の感情におぼれるのではなく、解決策を探ることに意識を向けることが第一である。疑心暗鬼を押し殺して人を愛しているのだとしたら、それは自分で自分に痛み止めを打ち、痛みを麻痺させ、自分で自分を誤魔化しているにすぎない。

しかしそれでも、彼と過ごす日々を捨て切れなかった当時の私は、自分も浮気をすることにより、恋人に対して寛容である気持ちをチャージして交際を続けた。結果、自分は自分自身のことしか愛していないという傲慢さに気づき、虚しさしか残らなくなってしまった。私たちは結局別れた。解決策に目を向けず、その場しのぎの痛み止めで自分を誤魔化し続けた私は、また悲しい気持ちに覆われることになったのだ。

私の体を鞭打つ言葉
コンテンツ提供元:サンマーク出版

原田まりる/Mariru Harada

哲学ナビゲーター・コラムニスト。1985年生まれ。大学在学中より芸能活動を行い、レースクイーン・オブ・ザ・イヤー2005グランプリを受賞する。現在、高校時代より学んでいた「哲学」の教えを実生活に生かす「原田まりるの哲学カフェ」を主催。

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