正解率5%!あなたの論理性と合理性を調べる「3つのクイズ」
あなたはロジカルな人間ですか?
「Big Think」では、政治学の教授であるSteven V. Mazie氏があなたの論理性と合理性を調べるクイズを書いています。ここでは、その中に掲載されている3つのクイズとその答えを紹介します。
この記事で紹介されている3つのクイズのうち2つは、経済学者のダニエル・カーネマン氏の著書『Thinking Fast and Slow』から引用しているとか。答えるだけで、あなたがどれほど合理的に物事を考えている人間なのか分かるクイズ。早速やってみましょう。
クイズ01.
あなたが知り合った
女性のタイプは?
週末のディナーパーティーで、あなたはジュヌビエーブさんという1人の女性を紹介されました。彼女は最近ブリンマーカレッジの哲学部を卒業し、現在は女性の健康を支持する団体で活動している傍ら、文学雑誌の編集も行っているとか。
あなたは、彼女の卒業論文のテーマについて話したかったのですが、他の友だちが会話に割り込んできてできませんでした。
さて、次の3つの選択肢のうち彼女についてもっとも正しいと思う意見はどれでしょう?
(1)彼女はフェミニストである
(2)彼女は清掃員の仕事を探している
(3)彼女はフェミニストであり、清掃員の仕事を探している
自分の意見に最も近いものから順番に、ランクをつけていきましょう。
クイズ02.
カードの裏にある数字を
証明せよ
片面には数字、もう片面には文字が書かれてている4枚のカードがあります。その4枚に書かれている、数字と文字はこちらです。
9 J U 2
片面が母音なら、そのカードの裏は偶数でなければならないというルールが成立していることを確かめるために2枚のカードしか裏返せません。どのカードを裏返しますか?(※Uが母音です)
クイズ03.
コインの賭けに応じるべき?
ジュヌビエーブさんが、あなたに賭けを持ちかけました。コインの表裏を賭けるゲームです。
もしコインが表なら、彼女はあなたに200ドルを払います。もし裏なら、あなたは彼女に100ドル払わないといけません。
さて、この賭けを受けるべきでしょうか?
答え01.
(1)(2)を選んだ人が正解
これは、「リンダ問題」または「連言錯誤」と呼ばれているテスト。人々が、どれほど確率論を利用しながら推論を立てるのかチェックできます。カーネマンとエイモスドバスキーが1983年にした実験では、被験者の85%が答えを間違えたとか。
もし優先順位の上位1位と2位に(3)の答え「彼女はフェミニストであり、清掃員の仕事を探している」を選んだ場合、それは間違いです。理論的に言えば(3)の確率が1番低いのです。(3)を選んだ場合、ジュヌビエーブさんがフェミニストであり清掃員の仕事を探しているという、2つの事実が証明されないといけません。証明される事実が多いほど、当然正解の可能性も低くなります。
正しい答えを選びたいのなら、(1)または(2)を選ぶべきです。(1)または(2)を優先順位の上位に選んだ方は、ロジカルな人です。
ちなみに、確率論の授業を受けていたスタンフォード大学ビジネススクールの学生でも正解できたのはわずか15%だったそう。
答え02.
めくるカードは
「Uと9」の二枚
このカードに対する質問は、1966年、心理学者のピーター・ワソン氏によって生み出されました。このテストから、推論を使った思考能力を調べることができます。ワソン氏と心理学教授のフィリップ・ジョンソン・レアード氏が、1977年に出した本の中では、正解できたのはわずか5%の人間だけだと記されています。
最も多かった間違いは、Uと2のカードをめくるというものでした。Uのカードの裏に偶数が書いてあることを証明するためには、そのカードをめくらなければいけません。ですがあなたは、2のカードをめくる必要はありません。ルールでは、偶数は常に母音の裏にあるということは書かれていません。示されているのは、母音の裏に偶数が書かれているということだけ。
9のカードをめくった時、そこに母音が書かれていれば母音の裏に偶数があるというルールは間違いだと証明することができます。だから正解は、Uと9の2枚のカードを裏返すことです。
答え03.
正解は…
ありません
この賭けの質問には、正解がありません。これは、損失回避と呼ばれる思考を調べるものです。勝った時の報酬が負けた時よりも大きく、結果の確率が平等な賭けならば、それは良い賭けです。ジュヌビエーブさんが負けた場合に払う200ドルは、あなたが負けた場合に払う100ドルよりもはるかに多いのです。100ドルの損失が容認できるものだとすれば、賭けることをオススメします。
ですが現実世界では、賭けの条件でこれほど良いものはなかなかありません。彼女はこの賭けを提案した後、きっと後悔することでしょう。
損失回避とは、利益から得られる満足よりも、損失によって起こる苦痛を気にしてしまい、利益よりも損失を大きく感じやすい人間心理のことを言います。
例えば、送料無料のクーポンを使ったのに送料を請求されたとしましょう。その会社に対して、数週間に渡り合計3時間も電話をして最終的に送料8ドル(日本円にして1,000円ほど)を返金してもらうことに成功しました。
でも、もし何回も電話して保留されたりたらい回しにされてたった8ドルの返金を求めるという仕事を頼まれたら、引き受けるでしょうか?
多大な時間を費やす方がはるかに不利益を被るにも関わらず、送料の損失を考えてしまうあまりこういった行動をしてしまうのです。
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