【判明】なぜ、パイナップルを食べると口の中がチクチクするのか?
突き抜けるアロマ香と瑞々しい果実味が人気のパイナップル。反面、口にしたときのチクチク感や、いがらっぽさから敬遠する人もいます。「アレさえなければ…」というような人は、要チェック。チクチクの対処法も合わせてご紹介!
チクチクの原因は
酵素にあり
そもそも、パイナップルを食べた後のいがらっぽさ。あの原因は、パイナップルに含まれる酵素によるもの。「タンパク質分解酵素」というのが正式な呼び名のようですが、この酵素が舌の上のネバネバ粘膜、あれは、ただの唾液ではなく「タンパク質」なんだそうです。
この果実による口内の異変を調査した「Delish」は、こう分析しています。
パイナップルを口にすると、舌の上や頬の粘膜にあるタンパク質が酵素によって、徐々に溶かしてしまうんだそう。すると、タンパク質で覆われていた粘膜があらわに。これがチクチクの原因。舌が、パイナップル本来の酸味や刺激に敏感に反応し、あのチクチクがやってくるようです。人によっては、ピリピリしたり、チクチク棘を刺されているように感じる人も。
ただし、人間は、唾液から常にタンパク質が分泌されるため、食べ終わった後はまた、元通りに舌がタンパク質でカバーされるようです。
では、このパイナップルの分解酵素(ブロメライン)が体に悪いかと言えば、むしろその逆。米メリーランド大学医学部が提供する「医療ガイド」は、消化不良や炎症を抑える効果、関節痛の痛みを和らげるてくれる作用を紹介しています。こうした効能が認められ、軟膏やサプリメントとして、ブロメラインは今日広く普及されています。
ちなみに、このタンパク質を分解する働きは、普段から口にしている料理にも、広く応用されているもの。
例えば、「酢豚」のパイナップルも、豚肉を酵素が柔らかくしてくれる役割。ヨーグルトにお肉を一晩漬けておくだけでも、肉質が柔らかくなりますよね。あれだって酵素のおかげ。豚の生姜焼き、塩糀につけたり西京焼にする魚、これらすべて、食物に含まれているタンパク質分解酵素が、肉や魚を柔らかくするよう働きかけているからなのです。
チクチク対処法はコレ!
あのチクチクした感じが「嫌い」という人に朗報。「LIVESTRONG.COM」で、あのチクチクを避ける簡単な方法が紹介されていました。記事によれば、チクチクの原因となるブロメラインを避ける最善の道は、完熟したパイナップルを食すこと。じつに単純!でも、この1点に尽きるそう。つまり、房に近い部分の皮にまだ、薄い緑色が残っているようならば、チクチクの可能性あり、ということ。
ちなみに、パイナップルは追熟しないので、購入時いい香りがするモノを選ぶか、緑色が残っていないものを選ぶこと。あの刺激にお悩みの方は、一度試してみては?
Reference:Delish, LIVESTRONG.COM , University of Maryland Medical Center