キンモクセイ(金木犀)の剪定時期と方法

キンモクセイ(金木犀)は、小さなオレンジ色のかわいらしい花をたくさん咲かせ、比較的強めの甘い香りを放つことから、各家庭の庭で育てられる木の中でも、人気の樹木のひとつとなっています。生育環境が適しているところでは、キンモクセイの高さは10m以上にもなると言われており、適切な剪定が必要となります。キンモクセイの楽しみ方によって、剪定方法や適した剪定時期も異なりますので、それぞれのケースについて、具体的にご紹介していきましょう。

目的に合わせて
剪定時期を選ぶことが大切

キンモクセイは、比較的成長が早い品種で、適した環境におかれていれば、1年間で枝が約15cm伸びるので、各家庭では、一定の高さや形状を保つために、枝を切り落とす剪定作業が毎年必要となってきます。

キンモクセイは、春から夏にかけて生育した新しい枝に花をつける習性があることから、毎年、キンモクセイの可愛らしい小花や香りを楽しみたい方は、キンモクセイの花が終わる直後の10月頃から年内がお勧めです。また、花付きに影響しない年明けの2月か3月頃の時期を選んで、剪定作業をすることも問題ありません。

キンモクセイの花を楽しむことよりも、樹木の形を整えることや小さくすることを優先したい方は、寒さが厳しい真冬の時期をのぞけば、都合に合わせて自由に時期を選んで剪定をすることができます。

キンモクセイは、刈り込みに強い品種ですが、葉がほとんどなくなってしまうような大がかりな剪定を頻繁に実施すると、枝枯れをしてしまう可能性があります。理想の形になるように、毎年こまめに手入れをすることが大切です。

花を優先したい人
必見の剪定方法とは

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キンモクセイは、三方向に分かれて枝が伸びていることが多く、剪定された部分から伸びた枝の下に花を付ける習性があります。

毎年、確実に花を咲かせたい場合には、三又に分かれて伸びる枝のうち、まずは、真ん中にある最も長い枝を、木バサミで付け根から切ります。残りの左右にある枝は、葉を2、3枚残して木バサミで切り落とします。

葉の付け根には、翌年に新たに伸びてくる芽がついているので、芽を残して芽よりも上を切るように注意しましょう。

剪定をする前に、翌年に残す芽の数をあらかじめ数えておき、開花時期の全体のバランスを想像しながら、切る枝を決めても構いません。

樹木の形状を優先したい人
必見の剪定方法とは

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キンモクセイの形状を整えたい方は、刈り込みバサミで、希望する形に合うように、まずは大まかに切るところから始めます。

刈り込みバサミで切る位置は、葉が密集しているところで、理想の形状から飛び出している部分を優先して切り落としましょう。

基本的には、今年伸びてきた枝の中で、形状から見て不要な箇所を間引く作業となります。

もし、葉が一枚もない枝ができてしまい、目立って気になる場合には、その枝の芽が残っているところを見つけて、木バサミを使って、芽の上でもう一度切ることで、バランスがよくなります。

キンモクセイの生育が良く、大きくなりすぎたため、大幅に小さくしたいときには、3年~4年に1回程度の頻度で太い枝の部分を切り、大幅に枝を切りつめる「強剪定」を実施しましょう。「強剪定」の時期は、葉が焼けるほどの強い日差しがある夏場や、寒さをしのぐために葉が必要となる真冬は除きます。できれば、3月~4月頃がおすすめです。

どのような剪定の場合でも、最後の仕上げとして、飛び出ている枝が残っていれば、木バサミで切り落とし、形を整えます。さらに、樹木の内部に枯れている枝や、弱っている枝があれば、他の枝を傷つけないように、丁寧に取り除いてあげましょう。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。