LINEのスタンプで年収2000万!?常識を覆す「新しい仕事5つ」
コンピューターやインターネットの発達にともない、近い将来、人間が仕事を奪われてしまう「テクノ失業」が問題化するかもしれません。しかし、仕事は減るばかりではありませんよ。IT技術の進歩やグローバル化によって、新たな職も誕生しつつあるのです。ここでは、新種の職業を紹介していきます。
01.
LINEのスタンプで
2,000万円の収益!?
「ネオ職人」
「ネオ職人」。何らかの技能を持つ職人たちが、会社に属さずに多額の報酬を得ているという例です。私が驚いたのは、LINEのスタンプ職人。これはパソコンで絵を描くことが趣味だった理容師の女性の話で、わずか半年の間に2,000万円も稼いだそう。1セット120円のものが50万セット売れて、LINEが4,000万円、自身はその半分の収益を手にしたんだそう。
さらに、「ネオ寿司職人」という存在まで。グローバル化に伴って海外の和食店は8万9,000店以上ありますが、その中で日本人の寿司職人は引く手あまた。タイ・バンコクでは、月収50万円の求人が普通で、高級店の料理長であれば年収1,000万円を超えるといいます。
02.
農業+自分のやりたいこと
「半農半X」で生きる
農業をしながら他の仕事もする「半農半X」という言葉があります。これは、京都府在住の塩見直紀氏が1990年代半ば頃から提唱してきたライフスタイルで、食料は小さな自給農でまかない、残りの時間は「X」、つまり自分のやりたいこと(ミッション)に費やすという生き方。収入が減少しても心豊かな暮らしをしたいという人たち、特に20代から40代から共感を集めているようです。たとえば、「半農半NGO」「半農半歌手」「半農半ライター」「半農半保育士」など様々な人がいます。
昔「フリーター」を祭り上げる文脈で「歌手を目指すフリーター」「夢を追いかけるフリーター」などがもてはやされ、消えていきました。が、こちらはベースが農業に置かれているだけに、足がしっかり地についているような印象を受けます。
03.
個人に仕事を発注する仕組み
「クラウドワークス」
「クラウドワーク」は、スキルをより広く開かれた世界で活用しようという試みです。インターネットを使って不特定多数の個人に仕事を発注し、それに応じられるスキルを持った人が受注して収入を得るというものです。スキルはプログラム・ウエブデザインなどIT関連に限らず、ロゴやイラスト、チラシ作り、さらには入力や統計数学の処理といった、特別な技術を要しないものまでほぼ140カテゴリの仕事が対象となっています。
現在、企業は抱え込むもの、つまり固定費を少なくする方向に動いています。テレワークを増やすことによる会社面積の縮小や、良し悪しはともかく正社員を削減し、仕事をアウトソーシングする傾向にあります。クラウドワークはこれからの時代にますます必要とされることでしょう。
04.
高齢者の活躍する場を開拓
「葉っぱビジネス」
映画にまでなった(2012年『人生、いろどり』)、「葉っぱビジネス」を例にあげます。これは「ツマモノ」と呼ばれる日本料理を彩る季節の葉や花、山菜などを栽培・出荷・販売する農業ビジネスのことです。
徳島県上勝町、人口1,733人で、四国で最も人口の少ない、高齢化率が50%を超える町で、主な産物であった木材や温州みかんに代わる、お年寄りが活躍できるビジネスとして生まれました。
月に70万円稼ぐ80歳のおばあさんは、仕事が楽しくて仕方がないと言います。これは新たな仕事を作ることで主役になりえなかった高齢者も仕事ができ、町全体の活性化につながったわけです。積極的に「働く」ことが環境をよくし、生活を犠牲にする重労働であった農業が、積極的賃金労働になった例といえるでしょう。
05.
「自分で自分の仕事を作る」
という選択肢もアリ!?
自分に合う仕事がない、とか、就職を拒まれてしまった場合、自分で仕事を作るという手段もあります。既存の仕事に就くことだけが選択肢ではありません。「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業につく」と主張する専門家もいます。
問題だらけの現代社会においては、問題のごく一端の解決に関わるだけで仕事になる訳ですから、仕事のネタはいくらでもあります。
たとえば、震災後にできた「イノベーション東北」なども、多数のチャレンジを提示して仕事のマッチングを行っていますし、今や規模も大きくなり非常に有名な「NPO法人フローレンス」も、子どもが病気になって働きに行けない母親を助けたいという身近な問題解決から始まっています。
仕事を探すことに疲れた、あるいは今の仕事が生活を蝕むのであれば、身近な問題に目をやってみると新しい仕事(副業でもいいのですが)のきっかけが見つかるかもしれませんね。
『仕事のエッセンス』
コンテンツ提供元:毎日新聞出版
東進ハイスクール英語講師。執筆参考書多数、なかでも『ポレポレ英文読解プロセス50』は20年以上“上位受験生のバイブル”として売れ続けている。近年は、講演会、被災地の幼稚園で紙芝居を読み聞かせる活動など予備校業界の枠を超えて広く活動している。