不安、モヤモヤ、憂鬱・・・ネガティブな感情こそ、利用するべき!

「感情なんて、あっても邪魔なだけ。必要ないよ!」と思う人もいるかもしれませんが、ネガティブな感情も、全ての「感情」は生きるために大事な役割を果たしています。では、どう役に立っているのでしょうか?心理学的に解説していきましょう。

生きるための武器
ネガティブな感情5つ

■危険や失敗を回避できる《不安

不安というのは、落ち着かないので嫌なものですが、原始時代の人間にとっては、生き残る上で重要な役割を果たす「感情」でした。例えば、敵に襲われそうな時や危険が迫っている時に逃げたり戦ったりする準備ができたのです。

そして不安は、現代社会でも役立っています。例えば、暗い夜道を1人で歩いている時。気を張りつめることで、防御できます。

このように、ちゃんと不安を感じられるからこそ、事前に心構えを作ったり、行動を起こしたりして、危険や失敗を避けることができるのです。

■人生の軌道修正に役立つ《ウツ》

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誰もが感じる落ち込みや無気力など=ウツ感情にも、実は生きるための大きな意味があります。例えば、恋人から突然「別れたい」と告げられたら、当然大きなショックを受けるでしょう。

ウツ感情とは、”今までのやり方では、もううまくいかない”と気づいた時に生まれる「感情」です。しかし、これにはいろいろなメリットがあります。

①今やっている活動を中止させて、これ以上無駄なことにエネルギーを使ったり、失敗をくり返さないようにする。
②自分の行動を反省したり、今後についてもっと慎重に考えさせ、方向性を修正する機会を与える。

ウツ感情になることで、人生の軌道修正をすることができるのです。そして、その作業が終わる頃にはウツ気分も終わり、前向きな気持ちに切り替わっているはずです。

■異常をキャッチして知らせる《モヤモヤ》

モヤモヤとは「何かが引っかかっているような、ザワザワして落ち着かない気持ち」のこと。いわゆる第六感のようなもので、何か異常に気づいた時に起こります。

モヤモヤが知らせてくれる異常の例
・向いてない仕事をいつまでも続けている
・別れたほうがいいとわかっているパートナーと、ダラダラ一緒にいる
・自分がズルイことをしているとわかっているのに、やめられない
・周りは賛成しているが、何かがおかしいと思っている

理屈では感知できないような異常を、モヤモヤが直感的にキャッチして知らせてくれているのです。

■何らかの行動を起こすきっかけに《怒り》

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怒りをバネにして行動を起こしたり、頑張るエネルギーに変換したりできる場合もあります。例えば、会社で上司からパワハラを受けて会社を辞めさせられたとします。そこで怒りをバネにすれば、泣き寝入りするかわりに、会社を訴え謝罪や和解金を勝ち取れるかもしれません。

このように、そもそも怒りは、「大事なものを守るために、行動を起こす」ために生まれた「感情」です。ということは、何らかの行動につなげられないのであれば、なかなか怒りはおさまらないし、自分が不快な思いをするだけで、怒りは何の役にも立たないのです。

■バランス感覚が大切《寂しさ・孤独》

私たち人間は、それこそ猿だった時代から、常に群れの中で協力して食糧を確保したり、敵から離れて身を守ったり、あるいはパートナーを見つけて子孫を残してきました。つまり、群れから離れて1 人になるということは、すなわち”死”を意味していたわけです。ですから孤独を感じると絶望的な気持ちになるのも、当然のことと言えるでしょう。

私たち人間にとって、「他者と過ごすこと」と「1人で過ごすこと」、どちらも意味があり、大切なことなのです。もし寂しさや孤独を感じた時には、「この2つのバランスが一番いいところは、今の自分にとってどこだろう?」と考えてみてください。

最高の人生が
手に入らない2 つの理由

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永遠に幸せになるために必要な力は、全ての人がすでに持っています。ですから私たちは、本来なら最高の人生を簡単に手に入れられるはずなのです。

それなのに、世の中を見渡すと、

リストカットが止められない中学生、
40歳になっても引きこもっている男性、
子供を虐待してしまう親、
仕事が原因でうつ病になってしまうサラリーマン、

などなど、人生を嘆き悲しむ人たちがたくさんいます。

その理由には、まず「大人になる過程で、力の成長を邪魔されてしまうこと」があります。例えば、昔の人は「男は泣くもんじゃない」なんて言いますが、「泣く」ということも実は、幸せになるために必要な力の1つです。

もう1つの理由は、「自分が持っている力を使いこなせておらず、宝の持ち腐れになっている」。誰しも気持ちが「モヤモヤする」ことがあると思います。でも実は、このモヤモヤには警報(アドバイス)のような意味があります。幸せのために役立つ立派な力の1つなのです。しかし、ほとんどの人はこれが素晴らしい力であることを知らないので、見ないようにしたり、押さえつけたりしてしまいます。

誰もが持っている
"3つのすごい力”って?

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私たちがすでに持っているという、「幸せになるために必要な力」「すばらしい能力」とは、一体何なのでしょうか?それは、「感情」「思考」「行動」の3つです。決して、超能力のような特別なものではありません。

感情…喜怒哀楽のような「気持ち」のこと。瞬間的に、ほぼ無意識に湧いてくるもの。思考…頭を使ってまとめたり、分析するなど、じっくりと「考える力」のこと(感情と違って、湧いてくるのに、少し時間がかかる)。行動…'やりたいこと'を実行に移したり、色々な体験をすること。

心理学では、この3つが基本的な「心の要素」だと考えられています。

ダーウィンの進化論!?
「感情」「思考」「行動」

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みなさんは、ダーウィンの進化論を知っていますか?有名な例は、「キリンの首が長い理由」です。キリンは、昔はそれほど首が長くなく、馬のような姿をしていました。その後、森林からサバンナに移住し、高いところに生えている木の葉っぱを食べて生活するように。その結果、首の長いキリンだけが現代まで生き残ったのです。生存するために必要な能力を身につけていったことを「ダーウィンの進化論」と言います。

人間が持っている「感情」「思考」「行動」という3つの力もまた、生きるために必要で役立っていたからこそ、私たちに残っているのです。

人は心理学で永遠に幸せになれる
コンテンツ提供元:ワニブックス

村松奈美/Nami Muramatsu

メリーランド州立大学で心理学を学ぶ。帰国後は、精神科クリニックや児童相談所、スクールカウンセラーなどを経て、現在は大手外資系企業の社員向けカウンセリングを行い、相談数は2000ケースにのぼる。相談者自身が持っている成長力を活かすことで、短時間で高い効果を上げる独自のカウンセリング手法に定評あり。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。