不安や不満はあるけれど、こんな時こそ自分の考え方や行動が試されてくる

今もNYではコロナウイルスの感染拡大がとまらない。

仕事で忙しく、英語での情報にも疎かった俺の代わりにいち早く危険を察知したパートナーは、まだ感染者が確認されていなかったコネチカットの閑静な小さな田舎街に一時退避できるAirbnbの物件を見つけてくれた。周りの家とも数十メートル離れているし、感染するリスクも、させるリスクも少なくできる。

アメリカの非常事態宣言が出るずっと前から、アジアやヨーロッパの感染拡大に関する各国政府の対応を常にチェックしていて、NYでも外出禁止やロックダウンのリスクを予想していたので、外出禁止が出る5日ほど前にNYを一旦離れる計画を立てることができた。この頃はまだNY市内の感染者も2ケタ台ほどだったが、パートナーはまだ幼い息子に外出禁止は酷だろうと、自然が多く、人口の少ない、ストレスフリーな場所を選んでくれた。

俺は家族をコネチカットに送り届けて翌日NYに戻るつもりだったがNY行政当局の突然の対応を見て、家族とともにここに留まることにした。そして数日後、外出禁止令が出た。

©DAG FORCE

コネチカットの滞在先は、森の中にある小さな街で、皆このようなガイドラインを遵守し、ルールを守って、心身ともに健康を意識した静かな生活を送っている。

さて、この街へ家族と共に一時退避してからもうすぐ2週間が経つ。

NYでの慌ただしい日々から一転、外出禁止措置もあって人と出会うこともほとんどないが、食材の買い出しなどで街に出た時などに人々の感じの良さに感心した。

感染予防のため、お互いに距離を保って歩いていても、必ず笑顔で「ハイ」と挨拶をしてくれる。この地域でアジア人は、自分たちしかいないようだが、差別的な経験をしたことは一度もない。

信号の無い交差点で向こうが優先でも、道を譲り合う余裕があるし、こちらが歩いている時などは一緒にいる子供に配慮して、スピードを落とし、我々から大きく距離をあけ、笑顔で手を振りながら通過していく。

本当に人がいい。みんな優しい。

スーパーマーケットでも買いだめを行うような人もいない。皆淡々とこの危機を乗り越えていくためにお互いを思いやっているのを感じる。そこに、アジア人としていることも、気が引けるようなことはない。

こちらの人は、マスクをする習慣がないから、マスクに手袋姿で買い物をするアジア人は、割とインパクトがあっただろうが「ものものしくて失礼w、念のため、ね!」と気を使うおれに「全然、大切だよね!」と返してくれる。

そんな優しさに感心してこちらも「こんな大変な時に、ちゃんと食料を買えてありがたい。働いてくれてありがとう」というと、向こうも優しい笑顔で「こちらこそ」と返してくれた。

この人たちの優しさ、素晴らしいな。そういえば、自分が育った飛騨高山ではこれが普通だったかもしれないなと思い出した。

18歳で上京してから、一人暮らしをはじめ、30歳でNYへ移住してから5年がたった。いつしか知らず知らずのうちに、都会の普通が自分にも染み付いているんだなとも思った。

だけど、そういった独善的な、利己的な考え方を都会や環境のせいにしてはいけないと、やっぱり思う。

だって、NYで出会った多くの人たちのように、どんな環境でも状況でも、周囲に流されず、自分の在りたいように生きている人は沢山いる。このような危機の中で、不安を覚えるのは当然のことだと思う。だけど、買いだめをしたり、他人を差別したり、他人のリスクを冒す行動をするのは恥ずかしいことだ。

アメリカでは多くのコロナ感染患者が出ている、NYはその約半数を抱えている。その数は前日に比べて倍近いスピードで増え続けている。今後どうなるのかわからない。

今は自然の中での運動や散歩も他者との距離を保てば認められているが、今後どうなっていくかはわからない。状況が更に悪化し、規制が厳しくなれば不安や不満はあるけれど、こんな時こそ、自分の考え方や行動が試されてくる。

そんな時、俺はどんな行動ができるだろう。

振り返ると、今までの自分は息子に誇れる行動をしてこれただろうか?

この苦境の中で私たちの生活を守る為に働く人たちがいる。感染のリスクを承知で感染者に向き合って闘っている医療従事者や様々な仕事の人たちがいる。本当に、頭が下がる思いだ。そして、彼らの努力を無駄にしないためにも、それぞれの地域のリーダーが出したガイドラインに従うべきだ。

皆が皆、苦しい。というこんな時こそ、自分を成長させるチャンスだと思う。

そういう気持ちを忘れないで、今日を、明日を生き抜こう。

DAG FORCE/ラッパー

1985年生まれ。NYブルックリン在住のラッパー。一児の父。飛騨高山出身。趣味は、音楽、旅、食べること、森林浴。NYでの日常生活で感じたこと。そこからポジティブなメッセージを伝えていきたい。

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