「家族に会いたい」俺の初めてのクリスマスソング

本日、12月25日。DAG FORCEこと俺は初めてのクリスマスソングをリリースする。2年前に日本にいるときに、才能溢れる音楽仲間のK.A.N.T.Aと一緒に作った曲だ。

2018年のクリスマス、俺は自分がパスポートをなくしたせいで家族のいるNYに帰れないでいた。パスポートとビザの発行に1ヶ月近く、東京で足止めを食らっていたのだ。そのため、クリスマスと正月をNYにいる家族と離れて、日本で一人で過ごすことになった。

ちょうどあの年は、日本でツアーがあり、NYの自宅をあけていることが多い1年だった。家族とは時差もあってなかなか連絡がとれなかった。ツアーは楽しかったけれど、内心は寂しかった。

そんな状況だったので、クリスマスの数日前にできた曲は、家族に会いたい、愛する人に今すぐに会いたいという気持ちを込めて「AITAI」というタイトルになった。

俺はあの時、K.A.N.T.Aのスタジオで曲を完成させた後、渋谷に向かって歩いていた。JR渋谷駅から井の頭線改札へとつなぐコンコースからクリスマスムードに包まれた渋谷の街並みを眺めながら、家族のことを考えていた。今すぐにでも会いたい。愛する息子の手に触れたい。年が明けたら会える。あと少しで会える。そんな気持ちが胸にこみ上げた時、さらに1年前のNYでのクリスマスの夜のことをふと思い出していた。

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その日、俺は仕事先から自宅に帰るためにUberに乗っていた。

日中、パートナーと喧嘩をして少し沈んだ気分だった。そんな様子に気づいたドライバーが「なんかあったのか?」と聞いてきた。「今日ちょっとパートナーと言い合いをして、家に帰るのが億劫なんだよな。クリスマスの夜なのに……」と俺はボヤいてしまった。ドライバーは「そうか。でも喧嘩できるだけいいじゃないか!家族は最高だな。家族でクリスマスを過ごせるなんて、本当に幸せなことだよ。メリークリスマス!」と言ってくれた。

俺は「家族でクリスマスを過ごせるなんて〜」という言葉とクリスマスの夜に働いていることから、彼は家族と一緒じゃないんだなと理解して、ハッとした。こういうことはNYではよくあるのだ。

「どこから来たの?」と俺が聞くと、彼は「コンゴだよ。NYからは25時間かかる。いつか家族をNYによびたいと思ってる。家族は最高だ!」と答えた。

いつもそうだ。何か辛いことがあっても、周囲を見渡してみると、もっと辛い状況で笑顔を絶やさず、常にポジティブに生きている人たちがたくさんいて、俺もそうやって前を向こうと思うんだ。

Uberを降りる時、彼は「家族を大切にな!Happy Christmas」と声をかけてくれた。俺は「Yes, thank you, you too」と笑顔でドアを閉めた。

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そんな日のことを思い出しながら、井の頭線の改札へと歩いていた。少しだけ、あの日のUberドライバーの気持ちがわかった気がした。家族に会いたい。出来立てホヤホヤの曲を聴きながら、下北沢の街を歩いた。

そんな2年前の俺の気持ちが蘇るようなこの曲を、クリスマスの日にリリースできる。

家族は最高だ。愛する人に想いが届きますように。

Happy Merry Christmas !!

DAG FORCE/ラッパー

1985年生まれ。NYブルックリン在住のラッパー。一児の父。飛騨高山出身。趣味は、音楽、旅、食べること、森林浴。NYでの日常生活で感じたこと。そこからポジティブなメッセージを伝えていきたい。