「オロビアンコ」ものづくりの裏側。 デザイナー ジャコモ氏インタビュー

〈Made in Italy〉にこだわり、イタリアならではのクラシカルな雰囲気とモダンな感覚をMIXさせた〈オロビアンコ〉。ミラノの象徴、Piazza Duomo広場の目の前に路面店があります。カーボンファイバーを使用した〈テクノモンスター〉のバッグや珍しい家具などもラインナップ。ミラノに行ったら立ち寄りたいスポットです。

今回は、デザイナー兼CEOであるジャコモ・マリオ・ヴァレンティー二さんに、お気に入りの伝統的なイタリア料理店にて、ブランドや職人さんへの愛を熱く語って頂きました。

ブランドを始めたきっかけは?

160113_nano-universe-orobianko03

ーーーブランドを始めたきっかけを教えて下さい。

20年前、私がチベットで白い光沢を持つ『ホワイト・ゴールド(白金)』に魅了されたのがきっかけです。〈オロビアンコ〉とはこの意を込めて付けたブランド名です。イタリアに戻り、当時はファッションに誰も白金を使用しておらず、それをデザインに使うことで私の人生は大きく変わり始めました。

まずは、あるショップのためにジャケットを作りました。これが〈オロビアンコ〉の名前を最初に使ったデザインなのですが、背中部分を動きやすいように工夫し、シークレットポケットなどを沢山付けました。また、オーストリア産のとても軽いレザーを使用し、バッグの中にくしゃくしゃに入れても大丈夫な、とても機能的なものでした。これがとても好評だったのですが、この次にカシミアのスカーフを作りました。イタリアに初めてチベットのカシミアを持ち込んだのは実は私なんです。

ーーー服を中心にデザインしていた〈オロビアンコ〉が、バッグ作りをするようになったのはなぜでしょうか?

私が旅行にいくときに、自分のための使いやすいバッグをデザインしたいと思ったのが始まりです。〈オロビアンコ〉のジャケットも着ていたのですが、旅先で皆バッグの方を欲しがりました。もともとインダストリアルや家具のデザインをやっていたので、そのテクニックが、皆が驚くデザインになっていたのかもしれません。そこからバッグ作りがスタートしたのですが、フィレンツェやナポリにいる目利きの富裕層に向けて販売し、高い評価を受けました。

160113_nano-universe-orobianko10

ーーー〈オロビアンコ〉は日本でも機能的かつモダンなバッグで大人気です。日本で販売することになった経緯は?

日本は四季があり湿気が多いということです。イタリアとの大きな違いはここ。イタリアのデザイナーにとってこれは今は当たり前のことですが、20年前はそこに気づいている人が少なかった。湿気に強い素材を使用し、バッグ自体のクオリティーをあげていくことに挑戦しました。

160113_nano-universe-orobianko07ーーーナイロン素材の印象が大きいですが、これを使った理由は?

軽くて丈夫な素材として使いたかったのですが、なかなか良い素材に出会えなくて。そんな時に父の世代から知っているイタリアのリモンタナイロン素材が革とのマッチングも良いことに気づいたのです。今はハイブランドなども使っている素材ですが、艶感があり、カラーリングも綺麗でした。この素材を使いながら、職人たちとパートナーを組み、細部にこだわりながら共に努力を重ね、日々クオリティーをあげていきました。

ジャコモ氏が考える
”質”とは?

160113_nano-universe-orobianko04ーーー質を上げる、とは具体的にはどのような事でしょうか?

質を上げるのはエンドレスな作業なのですが、例えばステッチ、ファブリックなど細部における全てのものをより良くしていくものです。時代の流れや使う方の欲するものを日々リサーチしながら、追い求めていくことです。そのために最も重要なのは1つのバッグを作るにあたり、職人ふくめ沢山の会社や人々を大切にして、強いパートナーシップをとることです。ここが弱いと、お客さんも満足してもらえないですし、ブランドを成功させるにはこの気持ちがとても重要だと思っています。

160113_nano-universe-orobianko12

ーーー最後に、未来の“ものづくり”に対して、大切だと思うことは何でしょうか?

歴史的な職人の技術を守り続けていかなければならないということです。これはイタリアもそうですし、日本にも言えることだと思います。今後、職人のアートな技術や文化と、コンテンポラリーな技術の融合が大切で、これこそが国の財産であり個性につながるものだと思います。世の中は3Dなどデジタル技術がもの凄い早さで進化しています。これももちろん重要なことですが、これだけではいけない。

現在、イタリアの子供たちの間では「ペッパピッグ」という凄く昔に作られたアニメが人気で。子供はいきなり3Dではなく、こういった昔ながらのものから、少しずつデジタルを理解して成長していきます。昔ながらの技術と、コンテンポラリーの融合。この重要性をイタリアも日本ももっと意識するべきだと思いますし、次世代にも伝えていかないといけないものだと思います。

コンテンツ提供元:NANO・UNIVERSE LIBRARY

NANO・UNIVERSE LIBRARY

セレクトショップならではの審美眼で選んだ上質な情報をお届けするマガジンアプリ。最先端トレンド­を俯瞰する感覚を覚えていただけるような、世界に誇れる、優れた製品・ブランド・サービスを発信いたし­ます。store.nanouniverse.jp

イタリア職人の卓越した技術とモダンなデザインの融合で人気の「オロビアンコ」。C.E.Oのジャコモさんと共にデザインを担当する夫人のバーバラ・フィッシャーさ...
「私がやっているのは、愛の告白」——。 インタビュー前編では、セレブタレントとして一躍有名人となったマリエが、自分の夢を追い、自分自身に向き合ったそのライ...
Cauliflower Timeによる「デザイナーあるある」をまとめたマンガ。なぜか何でもやってくれる“便利屋”として思われがち彼らのリアルが描かれている...
アパレル業界で問題視されている、生地のから出る大量のゴミ。ニューヨークのとあるファッションデザイナーが、100%廃棄物を出さない服を製造する新ファッション...
自信を持って推せる台湾雑貨のお土産を選びたい。行ってみたいのが『物外設計』という文具ブランドのお店。なかでも「Y STUDIO」シリーズは、女性の手にも映...
ひとつで複数の機能をもつ「マルチツール」は、乱雑になりがちなデスク周りをシンプル&クリーンに保ってくれるオフィスワーカーの強い味方。今回は「レザーマン」か...
モデル・タレントとして活動するマリエが、2017年6月、自身のブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカル マリエ デマレ)」を立ち上...
クリエーターエージェントクリエーター×クリエーターから生まれるコンテンツメディアqreators.jp世界的な建築家と数多くのプロジェクトを作りあげてきた...
日常のなかで、お皿やカップを割ってしまえば、捨ててしまうのが当たり前。でも本当にそれでいいのだろうか。
思わず「かわいい!」とつぶやきたくなる、天体モチーフのピン。この宇宙ピンを作り出したのは、日本の「Kawaii」に魅せられ、東京を拠点に活動しているイギリ...
ロシア・ウラジオストクのランドマークである長さ約1300mにもわたる「ゾロトイ橋」。11月某日、どう見ても様子が異なる集団が、車両専用のこの橋を渡ろうとし...
もともとは、ポートランドのNPOが若者支援のために始めた取組み。LGBTやホームレスなど、社会に溶け込んで生活することが難しいと感じる若者たちが、うまくな...
パティシエが作るお菓子はとても美味しそうですが、デザインのプロが手がけたクッキーは…キュート&カラフル!パントーンを選ぶところがさすがプロ!細かいアイシン...
鮮やかな色彩とグラデーションが特徴的なパントンカラー、つまり「色見本」。デザインや建築の現場でよく利用されていますよね。イタリア出身のグラフィックデザイナ...
いま、Instagramでブレイク中のこのお皿。なんでも、盛りつけるだけで料理写真が誰でも“かわいらしく”撮れるんだそう。しかもこれ、日本の「かわいい文化...
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ警察が導入を発表したホバーバイク『S3 2019』の飛行訓練がはじまりました。実際に運転している様子は『YouTube』...
旅の思い出を記録に残す方法は写真や動画が一般的。それ以外では、せいぜいスケッチといったところですよね?でも、ファッションデザイナーのTERESA LIM氏...
ヴェイパーウェイヴの代表的アーティスト、Vektroidことラモーナ・アンドラ・ザビエルが、ブラジルのメディア「I Hate Flash」に登場。貴重なイ...
デザイナー、Katerina Kampraniさんがつくっているのは、使いようのないひねくれた生活用品たち。斬新、だけど要らない。でもキニナル。変なツボを...
ピカピカと光り輝いているからこそ、エナメルシューズは美しいってものです。男女ともにドレスシューズの代名詞でもあるエナメル素材。そんな素敵な靴を台無しにする...
SNSにアップする過激な画像や文章が話題となり、10代を中心に絶大な支持を受ける「BLACK BRAIN Clothing」(BBC)のディレクター・iL...
結婚式やお葬式の際、ご祝儀袋や不祝儀袋はどのように持参するのがマナーなのか知っていますか?ふくさに包んで持っていくことは知っていても、渡し方や色の選び方ま...
ファッション、グラフィック、ウェブ、インテリア、環境、都市、空間など。これらに続く下の句「デザイナー」。あらゆるデザイナー職の人たちが、共通して抱えている...
ピンクとオレンジ、2色のポタージュがデザイナー(部下)のピンチを救えるか……。