阪神・淡路大震災から21年。LED?白熱電球?『神戸ルミナリエ』の電球に託された思いとは?

1月17日、1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災から丸21年が経ちます。

復興のシンボルとして始まった『神戸ルミナリエ』。
昨年は想定外の突風にあおられ、電飾作品の一部が倒壊するといったニュースもありましたが、無事に会期を終え、325万人もの来場者が駆けつけました。

ところで、昨年末のルミナリエから使用されていた電球が、白熱球からLEDに、100%切り替えられたことをご存じでしたか?
ルミナリエの歴史とともに、組織委員会の意図を追ってみました。

ルミナリエの歴史

160117_eqtenki-jp-kobe-luminarie_01-1神戸の冬を彩る荘厳な光の芸術!『神戸ルミナリエ』

「ルミナリエ」とは、イルミネーションを意味するイタリア語で、光を用いた祭礼・装飾芸術のひとつを表します。

『神戸ルミナリエ』は震災の起きた1995年、阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂と、都市の復興と再生を願い、復興が進む神戸の街に明かりを灯すことを目的に企画・実施されました。

ルミナリエの柔らかい光は、灯りが消えた街で心細い日々を過ごす人々を優しく包み込み、希望と勇気を与えました。
2015年12月に開催された「神戸ルミナリエ」は、いまや冬の風物詩として325万人もの人々が訪れる人気イベントに。
当初は「観光復興イベントリレー」だったものの、その反響はすさまじく、第1回目の会期終了直後から継続を求める声が続出!
1995年から2015年にいたる過程で、いく度の「存続の危機」を乗り越えてきた歴史をもちます。

その存続の危機というのは、ズバリ資金不足です。
掛かる費用は総額5億円以上ともいわれ、近年、日程や作品の規模が縮小されつつあります。
対策として、来場者を対象にした「1人100円募金」や、募金グッズ販売、昨年からはネット上で寄付を募るクラウドファンディングも実施。

美しくまたたくイルミネーションの陰には、こうした苦労もあったのですね。
私たちも震災への思いを絶やさないために、ぜひ募金に協力していきたいものです。

白熱電球を使用する意味

Light bulb illuminated with soft focus
温かい明かりが特徴の白熱電球

東日本大震災発生を機に、節電に配慮し、一部作品をLEDに切り替えて開催してきた『神戸ルミナリエ』。
しかし、節目となる第20回(2014年)から、再び全作品を白熱電球に戻すことが発表されました。

──なぜ、LEDから白熱電球に?と思う人も多いかもしれません。

その思いは、第20回のテーマと第1回のテーマが同じ「夢と光」であることからもわかります。
実際に「LEDは色が鮮やかできれいだけど、白熱電球のぬくもりに比べて冷たい感じがする」といった意見も寄せられたそう。
都市と市民の「希望」を象徴する行事として、震災当時に思いを馳せ、被災者や遺族らを柔らかく包み込んだ第1回目の光に近づけたい……。
白熱電球にはそうした思いが込められていたのです。

LEDを100%採用!
新たなステージへ

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次回は、どんな光の芸術作品が神戸の冬を彩るのでしょう

かわって、昨年12月に開催された第21回『神戸ルミナリエ』では、LED電球を100%使用。
天井付き回廊や、LEDの特長を生かした鮮やかな色合いの電飾や点滅を行うなど、これまでにない演出が人々を魅了。

昨年度(2015年)は「まちのさらなる魅力発信と神戸地域への集客」を開催趣旨に掲げ、「復興・再生」という言葉が消えたことも大きな話題となりました。
神戸の街の発展を願う集客事業として、大きな期待を寄せられていることが分かります。

── 新たな一歩を踏み出した、神戸を象徴する行事『神戸ルミナリエ』。
次回の『神戸ルミナリエ』では、阪神・淡路大震災犠牲者の鎮魂の意が込められた、どんな光の芸術作品が神戸の冬を彩ってくれるのでしょう。
次の開催はだいぶ先の12月になりますが、多くの人々が参加されることを願ってやみません。

参考/神戸ルミナリエ組織員会オフィシャルHP

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