恐竜好きライターが、兵庫の山奥で「丹波竜」に会った話

恐竜好きの私は「一番好きな恐竜は?」と聞かれたら、昔から即答で「カマラサウルス」と答えます。アメリカ生まれなのに福井県立恐竜博物館に行けば会えるし、ほぼ全身の骨が見つかっているなんて、竜脚類好きの私にとっては夢と希望と妄想の塊。

と同時に、日本の恐竜ならもっと嬉しかったのに……そう思っていたからこそ、2006年8月7日に兵庫県丹波市で発見された「丹波竜」は衝撃的でした。だって、カマラサウルスと同じ竜脚類(大きくて四脚歩行で植物食)で、見た目もすごく似てる!

しかも、この丹波竜を展示している「丹波竜化石工房 ちーたんの館」っていう施設と、発掘体験ができる「元気村かみくげ」がまた恐竜マニアにはたまらない空間なんです。

「丹波竜」は
どこがすごいの?

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© 2018 TABI LABO
約1億1千万年前の丹波地域をシミュレーションした復元図(原画制作:小田隆)

ポイントはまず、日本の陸上生物史上最大級の大きさってこと全長15m、総重量10〜15トンほどだったと言われていて、首だけでも5m。お腹のなかには成人男性が6人も入れるほど大きかったとされています。“白亜紀の前期を生きていた”っていうのも貴重で、きっと研究者さんはウハウハだったはず。

もうひとつは、肉食恐竜を吹っ飛ばすほどの圧倒的強さ。彼らはあまり動かず、スローライフを送っていたと言われています。でもその生活を確保するためには、イラストの左にいるような肉食恐竜を黙らせる必要があって、長い尻尾と首の力で一目置かれる存在だったに違いありません。

まだわかっていないことも多いけれど、彼らは日本で初めて見つかった竜脚類で、恐竜時代の謎を紐解く大きな鍵なんです! 興奮が止まらないので、一旦このへんで。

マニアじゃなくても楽しい
「ちーたんの館」

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© 2018 TABI LABO

丹波竜の魅力を伝えるためだけにつくられたのが、ちーたんの館。

入館してまず目に飛び込んでくるのは、世界でひとつだけの全身骨格(レプリカ)。発見された化石をもとに、精密に骨格が復元されています。長〜い首に注目しがちですが、尻尾の骨がたくさん見つかっていて、丹波竜にしかない特徴があるのだそうです。

丹波竜の脳みそって……

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© 2018 TABI LABO

これが「脳函(のうかん)」と言って、恐竜の脳みそが入っていたところ。こんな風に指が入るくらい、すごくちっさいんですよ〜。

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© 2018 TABI LABO

何が貴重かというと、丹波竜は頭部の一部が発掘されていること。それをベースに、頭部が精緻に復元されています。

ハンズオンで復元された丹波竜の頭骨と一緒に、写真を撮ることもできます。

VRで
丹波竜の鼻息が!

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© 2018 TABI LABO

4分30秒の夢を見せてくれるVRもありました。地響きさせながら歩み寄ってくるし、やっぱり肉づいた体は完璧(涙)。

コントローラーを使った「骨格組立ゲーム」はパズル感覚で楽しめるし、何より恐竜たちに360度囲まれる体験に感動しっぱなし。

恐竜時代のVRがあるのは、日本ではここだけ(大人用2台、子供用1台)。入館料を払ったら無料で誰でも体験できるけれど、土日は混むそうなので気をつけてくださいね。

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© 2018 TABI LABO

丹波竜とよく似ていることから、実は「ちーたんの館」にはあちこちにカマラサウルスの骨やパズルが置かれていて、実際に触ることもできます。

正直、私のためにつくられた館だと思いました。

発掘現場が見下ろせる
「元気村かみくげ」で化石探し

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© 2018 TABI LABO

興奮の連続だった「ちーたんの館」から、車で移動すること約10分。次にやってきたのは、実際に丹波竜の化石が発掘された現場まで歩いていける「元気村かみくげ」です。

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© 2018 TABI LABO

週末(祝日を含む)限定で恐竜の化石発掘体験もでき、これまでに6000個近くの化石を参加者が見つけています。想像以上に多い!

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© 2018 TABI LABO

石のように見えるけれど、これは発掘現場の周辺から採ってきた粘土質の硬い土。

「ハンマーで割ってみて断面に白い模様や線が入っていたら、化石の可能性アリ」

とレクチャーを受けて40分くらい探してみたものの、方解石(ほうかいせき)しか見つけられませんでした……。

素人だから見つけられた
「丹波竜」の化石

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© 2018 TABI LABO

元気村で、丹波竜化石第一発見者の村上茂さんにお会いできました。

実は村上さん、化石の専門家ではなく、趣味の一環で篠山層群の調査をしていたそう。すでにこの辺りは専門家が調査済みで「こんな赤褐色の地層のところに恐竜はいない」と言われていたんです。

「固定観念のない素人って、時々すごいお宝を見つけるんです。こんな赤みがかった地層の場所、専門家だったら歩かなかっただろうね」

しかも、調査の1日目で泥岩層の壁面から突き出ていた1本の肋骨の化石を発見。ここからすべてが始まったんです。

村上さんを中心にした化石調査のボランティアチームは、2019年1〜2月の間に丹波竜発見地のそばで調査を再開予定とのこと。狙うは、別の恐竜の化石!? すぐに情報をキャッチできるように、とりあえず「丹波新聞社」のTwitterをフォローしました(笑)。

「丹波竜化石工房 ちーたんの館」
住所:兵庫県丹波市山南町谷川1110
TEL:0795-77-1887
営業時間:10:00~17:00
11月~3月までは16:00まで
定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
年末年始 12/29~翌年1/3
公式HP:http://www.city.tamba.lg.jp/site/tambaryu/studio.html

 

「丹波竜の里 元気村かみくげ」
住所:兵庫県丹波市山南町上滝1913
化石発掘体験コーナー
TEL:0795-78-0001(上久下 地域づくりセンター)
開催日:毎週土日祝(平日希望の団体は要予約)
時間:10:00〜16:00(受付は15:00まで)、12〜2月 15:00まで(受付は13:50まで)
所用時間:1時間ほど
費用:300円/1人

Top image: © TABI LABO
取材協力:丹波市

そこにある、それがいい。TABI LABOの国内トピック『JAPAN LOCAL』をまとめて見るならコチラ

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