自信がなくても周囲に堂々と見せる「8つのテクニック」
ビジネスリーダーや先駆者たちの情熱を代弁し、これまでにのべ250社以上の従業員育成マニュアルをゴーストライターとして書き上げ、自らも50冊以上のビジネス書、ノンフィクションを上梓してきたコラムニストで「Inc.com」編集者のジェフ・ヘイデン氏。そんな彼も以前はフォークリフトの運転手や大学での雑用係、機会オペレーターなどを経験し、ビジネスの世界を駆け上がっていったひとり。
その彼が紹介するのが、たとえ自信がないときでも堂々と、それがあるように見せるためのテクニック。なんでも、インバウンドマーケティングで日本でもおなじみの「HubSpot」社、共同創業者ダーメッシュ・シャアが提唱する方法論だそうで、自信が湧いてこないときの次善の策がこれだとか。逆説的なアイデアもあって、意外にオモシロい。
01.話すよりも「聞く時間」を長く
口数が多くなるのは、不安な気持ちを覆い隠そうとしているから。心配事や不安を抱えているとき、人間はすぐに言葉で沈黙を埋めようとします。しかし、本当に自信のある人ほど、口数は少なく控えめなもの。
堂々と見せたいのなら、内省や熟考を必要とするフリーアンサー式の質問で尋ねてみること。彼らがしていることや、それをどう行っているかを質問するのです。あなたが本当に緊張していて、何を言うべきか分からないときは、他人にアドバイスを求めたっていい。この質問が暗に意味するのは、あなたが話し相手や彼らの意見を大切にしている、という点です。(そうでなければ、そもそも彼らに質問なんてしないでしょ?)
本当に自信のある人は多くの情報を手にしており、そのことを自覚しているもの。もっと多くのことを知りたいと望むからこそ、他者の声に耳を傾けることができるのです。だから、「話すのではなく聞く」。本物の会話に慣れるにつれて、自分の中に確固たる信念が生まれていることに気づくでしょう。
02.周りの人を主役に
もしも、仕事の大半を成し遂げたり、大きな障害を乗り越えたり、息の合わない人々を素晴らしいチームに変えた経験があるならば、きっと称賛を独占できる人物です。ではそれを追い求めず、周りの人たちに光を当て続けることができますか?
自分に自信があれば、他者からの称賛に一喜一憂することもありません。達成をしっかりと自覚できれば、栄光に目がくらむ必要がないとも言えます。一歩身を引き、あなたの達成を周りの人とともに喜ぶことが必要なのです。一歩下がって、周りを輝かせる役目に回ること。これがあなたの内なる強さの秘訣であり、周囲の人々も同時に自信を得るのに役立ちます。
03.自分の弱さを認める
助けを求めるのは弱さのサイン。知識、スキル、経験の不足を意味する。多くの人がこう感じています。自分に不信感を抱いているときは、なおのこと。そして、もっとも辛いのは、実際よりも自信がなさそうに周囲から見られることです。
ところが、真実はまったくその逆。つまり、自信のある人には、自分の弱さを認めるだけの器量と余裕がある。現に彼らはしばしば助けを求めます。なぜなら、助けが必要な自分を認める余裕があり、求めることで大きな敬意を伝わることを知っているから。「力を貸してくれる?」それは、相手の知見や判断力を熟知し、そこに敬意を払っている証拠でもあります。
必要なときには助けを求めること。すると、あなたは必要とするアシストを得るだけでなく、より堂々とした人物にも見られるはず。これは、双方にメリットのある行動なのだから。
04.自分の失敗を笑い話にする
作為や不誠実さを生み出すのが「不安」、誠意や正直さを育むのが「自信」です。自分の非を認めることができる人は、失敗さえ他人と共有し、自分の経験が教訓として語られることを恥だなんて考えません。失敗を笑い話にできるのです。
心にゆとりがあれば、あなただって悪く見られることを厭わないでしょう?変に気取らず、誠実な人間でいれば、周囲からバカにされないことを、あなた自身がよく分かっているはずです。
自分の印象を実際よりも上げようなんて思わないこと。完璧に振舞おうとするより、その逆を行くべきなのです。つまりは“人間らしく”振る舞うこと。うわべだけ取りつくろったところで、本物の自信は生まれません。それは、“ありのまま”に基づくものだから。
05.こまめな運動でネガティブ物質を除去
ストレスや不安を感じると、副腎から分泌されるのがコルチゾールです。高濃度のコルチゾールは感情を高ぶらせ、想像力を抑えて、複雑な情報を処理する能力を著しく低下させるもの。思考や視野が狭くなるのも、ショックや恐怖を感じているときと同じ状況をこの物質が引き起こしているからです。
解決策は体を動かすこと。お昼にウォーキングをしたり、会議の前にジムでひと汗かいてくるとか。コルチゾールが消費された運動後は、不安が減り、落ち着きが得られるでしょう。物事の全体像を捉えるには、コルチゾールレベルをつねに低く保っておくことです。
06.他人の悪口を言わない
うわさ話やゴシップが止められない人ほど、他人の悪口を言うことにも抵抗がないものです。が、彼らのこうした態度は他者と比較することで自分自身を正当化したいから。それは、他の誰かが悪く見えれば自分に自信が持てる、という理論と同じ。
けれど、堂々としていられれば、他者をけなす必要もなくなります。彼らが比較対象とする唯一の人物は、他でもない昨日の自分や、いつかなりたい理想とする人物像なのですから。
07.「たぶん」「きっと」あいまいな副詞を加えない
コンプライアンス上の理由から、投資関連資料にはよく「かもしれない」、「あり得る」、「はずだ」のような語句が多用されるもの。断定をさけるため、そこには多くの修飾語が含まれているからです。
不安を抱いているときは、まさにこれに近い状態。「たぶん」、「きっと」、「個人的な意見に過ぎないけど」のような言葉を、つい口にしてしまいがち。要するに、間違っていることを恐れるあまり、強い姿勢が取れないのです。
もっと恐れず考えを口にすること。自分の信じていることを伝え、他人の声にも耳を傾けましょう。あなたの意見が間違っている。それも素晴らしいこと。なぜって、完璧ではないことを認める心の余裕が自分にあることを、示すチャンスを得ているのですから。
08.誰もが嫌がることを率先して行う
新しいグループに溶け込むのは、じつのところ非常に簡単。最高のアプローチは、グループ内の人々を少しだけ楽にする方法を見つけること。それには、自発的な行動あるのみ。単調でつらい作業や、称賛に値しないタスク、他の人がやりたがらないことを率先して引き受けるのです。
望むものを手にするためには嫌なことを率先して行えるかどうか。自主的な行動がすべて。そこにはメリットも伴います。チームの一員であるあなたのことを周囲に実感させ、あなた自身が彼らの敬意を勝ち取り、多くの自信を得ることができるのです。