ANAのVIP担当者が実践!気まずいお願いをすんなり受け入れてもらう「魔法の伝え方」
タイミング悪く相手を引き止めて話し込んでしまう人や、普通に話していても周りにうるさいと思わせてしまう人。知らないうちに不快さを感じるようなシチュエーションは、誰しも経験したことがあるはずです。
でもそんな行為に対して、はっきり「迷惑」とは言えないもの…。「気まずいお願い」をして、「気まずい雰囲気」になるのを避けるにはどうしたらいいのでしょうか?
そのヒントは、伝説の元ANA CAマネージャーの加藤アカネさんの著書『言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方』にありました。数々のVIPに対応をしてきた彼女の経験から、うまく相手を誘導する話し方のコツを学びましょう。
01.相手を不快にせず「長い話を終わらせる」コツ
NGワード:「そういえば〜」
相手はていねいに説明しているつもりでも、聞いている側からすれば「この話、長いな」と感じることはよくあります。
では、なぜ長くなるのか?話好きのほとんどの人は、話の最後にオチがあり、そのオチを言いたいからこそ、ストーリーを長々と話してしまう傾向にあります。けれどもここで、聞き手が途中で話をさえぎってしまうとオチが言えず、不快な気持ちにさせてしまうのです。
つまり「オチ」にたどり着くことさえできれば、気持ちよく話を終えることができるとも言えます。そんなとき効果的なのは「オチに近づける質問」をして、話を早送りすることです。
例えばゴルフの話題であれば「ついに最高スコアが出ましたか?」、美味しいレストランの話題であれば「味だけでなくサービスも素晴らしかったですか?」など。
ただし、気をつけなくてはいけないのは、「早送りさせる質問」もあれば、「巻き戻させる質問」もあるということ。たとえば「そういえばいつ頃からゴルフを始められたんでしたっけ?」「これまでで一番よかったお店はどこですか?」といった質問。
雑談を盛り上げたいときにはプラスですが、話を切り上げたいときにはマイナスなので要注意。使い分けが大切なのです。
魔法の言葉:「ついに最高スコアが出ましたか?」
02.意見を言わずとも会議で希望の答えへと導くコツ
NGワード:「私としては…」
まわりの反対意見をはねのけて独断で決めたことを押し付けてしまい、誰も納得してくれなかった…という経験はありませんか?
チームで何かを決めるときは「どうすることが最善策か?」と問いかけて、みんなの意見を引き出した上で、自分の意見に近づくように絞り込んでいくほうがいいでしょう。
ただでさえ上司は「何でも自分で決めたがる」と部下から思われがちです。部下には、自主的に動いてもらったほうが彼らのモチベーションも上がります。
活発に意見の出る会議であれば、自分の意見に近い発言を受けたら「今、◯◯さんが言ったことは、こういうことですよね」と繰り返すことで強い印象を与えられるので、効果的です。
さらに、「いま抱えている問題を解消する有効な方法だと思いましたが、皆さんはいかがですか?」と周囲を巻き込んでいくと「私だけの意見」ではなく「みんなの意見」になります。
そのため、序盤と中盤は聞き役に徹しましょう。重要なのは望んだ方向の結論に導くことです。
魔法の言葉:「今、◯◯さんが言ったことはこういうことですよね」
03.
言ってることとやってることが違う「上司」を指摘せずに反省させたい
言ってることと
NGワード:「自分のことを棚に上げて…」
「わからないことがあったらいつでも聞いて」と言ってくれたので実際に質問すると「今じゃなきゃダメ?」と迷惑な顔をされたり「自分で判断しなさい」と言われたのに「勝手に判断しないで相談して」と言われたり…。
上司の矛盾に気持ちが冷めてしまうことってありますよね。しかしほとんどの場合、上司にはその自覚がないのです。
そんなとき「人に厳しく自分には甘い」「自分のことは棚に上げて」などと、陰口を言うのではなく、気づかせてあげるのが賢明です。
「“いつでも”とおっしゃっていたお言葉に甘えてしまいました。出直します」「アドバイス通りにやったつもりでしたが、間違って理解していたかもしれません」
と、上司を頼りにしているという前向きな感情をのせて、「言い方が悪かった。ごめんね」と逃げられる隙を残してあげれば、感情のしこりが残らないでしょう。
魔法の言葉:「甘えていました」「間違って理解していました」
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