「かわいそう」を「かわいい」へ。医療用ヘルメットをペイントするアーティスト
「位置的頭蓋変形症」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
赤ちゃんの中には、子宮内や分娩時の状況によって、頭が変形して生まれてきてしまう子がいるのです。
心ない言葉を
かけられることも…
こうした診断を受ける赤ちゃんのなかには、健康に影響のない形になるよう「リモルディングヘルメット」と呼ばれる矯正用のヘルメットをかぶって過ごすことになる子がいるのですが、せっかく授かった子どもに「ごめんね…」と自分を責めてしまう両親も多いと言います。
また、外に出かけた際に心ない言葉をかけられ、つらい思いをすることもあるといいます。
そんなヘルメットを、素敵にデコレートしてしまうアーティストがいます。米・ワシントン州在住のPaula Strawnさんは、ひとりひとりの赤ちゃんに合わせて、ヘルメットにかわいい絵を描いているんです。
味気なかった医療器具が、とってもかわいくてポジティブなものに早変わり!両親がポジティブな気分になれるのも、大きい変化ですよね。
ひとりひとりに合わせて
ふたつとないペイントを
こちらは可愛らしい花柄。襟足のストライプがおしゃれ。
気分はスーパーヒーロー!
スターウォーズ大好き一家には、反乱軍のヘルメットを。あまりに嬉しくて、みんなでコスプレしちゃったそうです。
ひとりでも多くの人を
笑顔にしたい
これまで、3,000人近い赤ちゃんにヘルメットをペイントしてきたStrawnさん。
「娘が通っていた小学校の年配の先生がとても素敵な人で、私がアーティストだと聞くと、教室で絵を描く機会を与えてくれたりしていたんです。その先生が、ある日娘さんとお孫さんを連れて私の家に来ました。小さなお孫さんは見慣れないヘルメットを被っていました。先生は、ヘルメットを指差してこう言ったのです。
『ちょっと、このひどいヘルメットをどうにかしてよ』
そこで私が、かわいいペイントをしてあげたんです。そのヘルメットを見た主治医の先生が、とてもいい試みだということでお知らせのチラシを病院に置いてくれました。それがはじまりですね。
私は、この活動を生涯通して続けていきたいと思っています。あるいは、目が見えなくなるまで?筆が握れなくなるまで?今はまだわからないけれど、とにかくたくさんの人に、笑顔になって欲しいんです」
他にもたくさんある素敵なペイントは、StrawnさんのFacebookで見ることができます。ヘルメットをかぶる必要がある子どもの両親はもちろん、見ているだけほうもほっこり愛らしい気持ちになる、とっても素敵な活動ですね。