科学者が認めた「自転車用エアバッグ」ヘルメットの8倍の安全性能
転倒、衝突、接触…、もしもあなたが自転車に乗っていて、不意なアクシデントに遭遇したとする。そのとき、頭部を守ってくれるのは、このエアバッグ「Hövding(ホーブディング)」かもしれない。従来のヘルメットに比べ、リスクを1/8倍にも軽減できるという結果が出た。
エアバッグを搭載した「Hövding」
マフラーのように巻きつけるだけ
それを裏付けるだけのデータは周到だ。
自転車事故による脳への障害を減らすため、1,000件以上の自転車事故のデータを詳細に分析。サイクリストの挙動を何百時間も追跡することで、事故をデータベース化し、独自の自転車専用エアバッグの開発に至った。
エアバッグが開いた姿は、さながら宇宙飛行士が着用するヘルメット。ちょっと見た目には驚かされるが、このままライドする訳ではないし、ヘルメットに比べ、洋服やシーンを気にしなくても良さそう。
もちろん、後頭部だけでなく、前頭部まできっちりホールドしてくれる安心設計。時速25キロで走行中にアクシデントが起きた場合、脳を損傷するリスクは約90%。だが、このエアバッグであれば、そのリスクが2%にまで抑えられる、とメーカーホーは自信をのぞかせる。
脳挫傷のリスクを大幅軽減
「ほぼ完璧に近い」と科学者
「エアバッグ(型の自転車用ヘルメット)は、従来の気泡ゴムやクッション材が入ったヘルメットと比較して、脳挫傷のリスクをおよそ1/8に軽減できる」。スタンフォード大学の研究員が出した答えだ。
生物工学の専門家David Camarillo教授は、「ヘルメットとはまったくの別物と考えるべき」、と評している。いわく、従来のヘルメットは頭蓋骨の挫傷を防ぐ目的でつくられたものだが、頭を強く打った時や、事故の衝撃で、脳神経が損傷してしまうことまではカバーしきれない。
その点、衝撃を受ける前に膨らむホーブディングの厚みやクッション性、それが衝突や転倒による、脳震盪・脳挫傷を防ぐのに「“near perfect”(ほぼ完璧)」、とのお墨付きを得た。
最新モデルは、
よりコンパクトに。
2016年に発表された最新モデルは、よりコンパクトで軽量になった(S,M,Lのサイズ展開)。公式ページから直接購入も可能、価格は日本円にして約32,000円プラス送料。
結局のところヘルメットにしたって、このホーブディングだって、“転ばぬ先の杖”。多少値が張るのも事実。それでも、以下の動画に登場するユーザーの言葉に、確信が込められている気がしないだろうか。
「ホーブディングは、ちょっと安めの保険に入ったようなもの」、と。