誰もが見放した老チワワに奇跡が起こった
これは、シェルターで死にかけていたあるチワワの実話ー。
米国動物愛護協会によると、アメリカでは一年間で390万匹の犬猫がシェルターに連れてこられるようですが、新しい飼い主に引き取られるのは120万匹と言われています。でも、そのほとんどは、年齢が若い犬猫。年老いた犬猫の里親は、なかなか見つからないのが現状なのです。
この物語の主人公である年老いて心臓に病を持ったチワワも同じ宿命でした。誰に見向きされることもなく、弱っていく姿にシェルターの従業員たちも気が気じゃなかったそうです。そんな老チワワを偶然にも見つけたのは、シェルターに新マネージャーとして赴任してきたヘザー・ ヘイズさん。
目があった瞬間、老チワワは怯えて身震いしていたそうですが、ヘザーさんはためうことなく近づいたのです。そして、この老チワワに触れた瞬間、あまりにも衰弱していたので、一日だけ自宅で面倒を見ることに決めました。しかし、正直なところヘザーさんは、おそらく一晩もたないと感じていたそうです。
愛を感じて安心して天国に
帰宅したへザーさんは、老チワワを自分の腕の中で看取ろうと腹をくくります。なぜなら、誰からも見放されたこの小さな命が少しでも愛を感じて、安心して天国へ旅立てるように。自分の腕の中で、老チワワが咳をして息切れをしている様子から、もう長くはないのだろうと察します。そして、一晩中、腕の中で抱きしめたのです。いつ息絶えたとしても、老チワワが温もりを感じてもらえるようにー。
しかし、奇跡が起こるのです。
翌朝、ヘザーさんの腕の中で老チワワがまだ息をしているではありませんか。最後の最後に老チワワをこの世に引き留めさせたのは、間違いなく愛の力でした。それから、献身的な看護がはじまります。栄養のある食べ物を与えたり、獣医に通ったり、ヘザーさんは考えられる限りのアクションをとったのです。
「高齢化した動物ほど
愛が必要なのよ」
それから4年が経った現在、老チワワは元気に生きています。
ジェイ・Zと名づけられて、ヘザーさんと一緒にピクニックやキャンプなどのアウトドアライフを満喫するまでに回復した模様。この出来事を通じて、ジェイ・Zからとても大切なことを教えてもらったのだとヘザーさんは言います。
「動物だって高齢するほど愛が必要、私たち人間と同じようにね。もっと多くの老犬・老猫が、新しい飼い主と第二の人生を送れることを祈っているわ」
実際、この瞬間にもシェルターで多くの老犬や老猫が里親を待っています。それは、アメリカだけでなく日本でも同じ状況です。犬や猫を手に入れる場所は、ペットショップだけではありません。もっと、シェルターにいる老犬や老猫にも目を向けてみる。これからは、そんな選択肢を持つことも必要なのではないでしょうか?