「小さなアヒルを吹き出す」。言われたらびっくりする、世界のことわざ

「猿も木から落ちる」「猫をかぶる」のように、日本で日常的に使われていることわざも、海を渡ればふしぎな言葉に聞こえることがあります。その国ならではの言葉や言い回しだからこそ、ほかの国の人が聞いたら、その内容は意味が分からないわけです。

エラ・フランシス・サンダースさんの著書『誰も知らない世界のことわざ』から、その国らしさが伝わる動物のことわざや言い回しをご紹介します。どれも、思わず使ってみたくなるものばかりですよ。

01.
「ロバにスポンジケーキ」
(ポルトガル語)

英語の「To cast pearls before swine.(豚に真珠)」と同じ意味で、「そのものの価値や本来の扱い方をわかってない人、それを得るに値しない人に何かを与えることの無意味さ」を表しています。ロバには、スポンジケーキのふわふわとした食感や、中に挟まれたジャムの香りが分からない。つまり、スポンジケーキの美味しさはロバには分からないのです。

02.
「ブタの背中にのっている」
(アイルランド語)

文字通り読んでしまうと、これは一体、どういうことを言っているのか分からないかと思われますが、「幸せで、人生に成功している」という意味で使われます。アイルランド語にブタに関する表現がたくさんあるのは、何世紀もの間、農業をしながら、ブタと共に暮らしてきたからです。ブタの背中にのることは、ゆったりとしていて、すべてが順調で、豊かに暮らしている、そんなイメージを抱かせてくれます。

03.
「オオカミの口の中へ!」
(イタリア語)

相手の背中を、心をこめて軽くたたき、舞台のまばゆい光の中に送り出すときなどに使われるこの表現は、英語の「Break a leg.(足を折れ)」つまり、「Good luck!(がんばれ!)」のイタリア語版です。もし誰かが、こんなふうにイタリア式であなたの幸運を祈ってくれたら、イタリア語の「Crepi lupo!(くたばれ、オオカミ!)」または「Crepi!(くたばれ!)」で返してあげましょう。

04.
「小さなアヒルを吹き出す。」
(ラトビア語)

これは「くだらないことをペラペラと話している」もしくは「嘘をついている」という意味。ラトビアの人に「小さなアヒルを吹き出しているね」と言われたら、あなたが真実を語っていないことをわかっているよ、と言われていることになります。

05.
「わあ!馬が妊娠している!」
(フィリピン語)

フィリピン人が何かまったく思いがけないことが起きておどろいたときに「なにこれ!?」という意味で使う間投詞です。たとえば、つま先をぶつけるとか、やけどするほど熱いか凍るほど冷たいシャワーの水に当たるとか、想像もできないニュースを聞いたときなどに使われます。

06.
「さて、羊に戻るとしようか。」
(フランス語)

何もかもがシックな、チーズとワインの国でうまれたこの言い回しは、おしゃべりの最中、自分の話題がひどく脱線し、それに気づいて本題に戻ろうとするときに使われます。この言い回しの起源は15世紀のフランス喜劇『The Farce of Master Pierre Pathelin(パトラン氏の冗談)』にあるとか。会話の荒野に踏みこんでしまい、戻り道を探している。そんなときに言うのです。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。