影響力のある10人が「人生最後の日」と本気で向き合ってみた。
「もしも今日が人生最後の日だったら、どんな1日を過ごしますか?」
これ自体は、よく耳にする質問だと思う。
でも、本気で自分に置き換えて考えたことはあるだろうか?
家族と過ごす。友だちに会う。地元に帰る。旅に出る。
思い出の地を回る。おいしいものを食べる。
人生を振り返る。未来に何かを残す。
最後の一瞬までやれることは無数にあるし、尽きない。
だからこそ、その過ごし方には、その人の好きなことや大事なもの、個性、人生観が表れる。
今回はその想いを知るべく、幅広いジャンルで活躍する10人の方々に同じ質問をしてみた。
「もしも今日が人生最後の日だとしたら、どんな1日を過ごしますか?」
Answer 01.
やり残したこともないし、後悔もない。
ーー 紀里谷和明
「私にとって死とは不安なものではなく、喜びと一種の好奇心を持って迎えるものなので、とりわけ何もすることはありません。やり残したこともないし後悔もありません。もし日本にいたら熊本の両親に会いに行って、これまでの感謝を伝え、そのまま残りの時間を一緒に過ごすでしょう。死期を知りその瞬間まで自覚があるというのは、とても幸運なことだと思います」
Answer 02.
最後の日にならない方法を、最後まで探る。
ーー 池田親生
「今日が最後の日にならない方法を最後の1秒まで探しまくる。
僕が関わるものは、アートも経営も政治も砂漠を1週間走るような遊びも、すべて優しい世界づくりという冒険の1部です。まだ、世界が達成したことがないであろう世界平和ってものに挑戦できる時代に生まれてきたことに日々ワクワクしています。
その毎日の中で神様が目の前に現れて、今日で終わりねって言われたら、僕はさらにワクワクを加速させて、その冒険を越えて、また明日の朝から世界平和を目指すのです」
Answer 03.
一番遺したいものは、感謝の気持ち。
ーー 鈴木美穂
「私の人生を形作ってくれた、愛する人、家族や友人と思いっきりハグして、思い出を語り、『ありがとう』を言って、感謝の気持ちでいっぱいになりながら死にたい。
9年前、がんで闘病中に死を何度も覚悟し、そのときから、死ぬときに唯一持っていけるものは思い出で、一番遺していきたいものは感謝の気持ちだと思っているから」
Answer 04.
未来へのバトンをつなぐ。
ーー 青木大和
「家族、友人、仲間、お世話になった方々に集まって頂き、肉、寿司、ピザなどのみんなが好きなものを囲みながら人生を振り返り、これからの未来を熱く語る楽しい一日にして過ごします。
自分たちが今の時代を生きる中で唯一残すことが出来るものが未来へバトンをつなぐことだと考えていて、未来を語り、その場にいるまだ人生がある人たちが未来に使命を繋いで行って欲しいと思うからです」
Answer 05.
今にフォーカスするために瞑想。
ーー 小橋賢児
「今日が人生最後だとしたら…というテーマに、凄い山登るとか、24時間でどれだけ移動できるかとか、限界まで調整する、とか考えましたが、最後はシンプルに家族と過ごす & 今という瞬間にフォーカスするために瞑想するっていう感じになりました。まあ、こんなものは実際起こってみないとまったくわかりませんが(笑)」
Answer 06.
地球の大きさを思い出す。
ーー 安藤美冬
「10代から、独立して働く現在まで、ずっと旅をしながら生きてきたので、最後の日も変わらず放浪していたいですね。ヨーロッパへ向かう飛行機に乗り込んで、めいっぱい移動しながら地球の大きさと懐の深さを思い出したい」
Answer 07.
家族と手を取り、スカイダイビング。
ーー 荻原桃子
「息子と家族と大切な人達とキャンプでもして美味しいごはん食べて美味しいお酒を飲んで笑って過ごしたいな。いつもよりも大きな大きなキャンプファイヤーをしてね!
そして最後の瞬間は息子を抱きしめて家族と手を取ってスカイダイビングをしたいかな」
Answer 08.
エネルギー尽きるまでトレーニング。
ーー 小比類巻貴之
「15年前に同じ質問をされたときは『一日中練習する!』でしたが、今は『選手のミットを持つこと!』が僕の仕事になっている。たくさん練習すると身体が強くなるが、度が過ぎると壊れてしまう。壊れる頃には心は満足する。今でも選手のミットを持ち続け、右手のヒジが壊れかけている。そうすることで選手は輝く。
一日中、身体がぶっ壊れるくらいミットを持ち、欲を言えば、各世界中のトップ選手のミットも持ってみたい。強い選手のミットを持つと楽しい。本物の選手…たとえばボクシングのメイウェザーのパンチ、ムエタイトップ選手のキック。。。でもやっぱり、小比類巻道場の選手とエネルギー尽きるまで、最後の日をトレーニングして過ごしたいと思います」
Answer 09.
地球を駆け回り、地球に倒れこむ。
ーー 篠原祐太
「友達と話して、ラーメン食べて、山登って、勉強して、虫捕って、読書して、サッカー観て、地球と寝て、川泳いで、キャンプして、子供達と遊んで、海潜って、魚突いて、動物とふれあって、虫料理ふるまって、考えごとして、文章書いて……。書いてみるとやりたいこと多すぎですね。でも、完璧主義なので全部やりたい(笑)。今の自分が持つすべてを、次の世代に精一杯伝えたいです。
人生最後の日も、いつもと同じように、地球を駆け回り、大好きな仲間たちと地球を思いっきり楽しみ、自分が地球に還元できることを探して、詰め込みまくって過ごすんだろうなぁ。エネルギー全部使い切って、その場で倒れてやります。地球は素晴らしすぎて、生きてて本当に幸せです」
Answer 10.
自分の子どものために「死ねない」
ーー 山川咲
「今までなら、それでも仕事とか、文章を書くとか答えていたかもしれないけど、今は妊娠していろんなことが変わったので、『死ねない』が答え。命と換えてでも世界を変えたいと思っていたけど、今は長生きしてこの世界の変化を見たい。どうしても今日が最後なら、そう思えるほどの変化をくれたこの子を先に産むかな」
最期の過ごし方にこそ
人生の哲学が表れる
「死」を意識することで、見えてくるものがある。
自分を育ててくれた親に感謝する人もいれば、自分のやりたいことを最後まで追求する人もいる。
死はいつ訪れるのか分からないからこそ、一度立ち止まって考えてみる必要があるのかもしれない。