「限界に挑み続けろ!」自分のアバターから届くメッセージ
自分の分身となるキャラクター、アバター。全世界興行収入第1位となった映画『アバター』続編の制作もはじまるようだけど、現実の世界においてアバターネタで話題を呼んだプロジェクトを紹介したい。
それが、NIKEの『Unlimited Stadium』。昨年8月、オリンピックの開催に合わせてマニラの中心部に期間限定でオープンされたのだが、注目された理由は、LEDスクリーンに映しだされた自分の分身をライバルとしてレース対決できるユニークなコンセプトにあったのだ。
「人気モデルの靴跡」が
トラックレイアウト
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/93566/228d1caccdc9779744ad923d9b5b8c3e4691a116.jpg)
上空からの写真であれば、一瞬で分かるだろう。けど、念のために。
トラックのレイアウトは、NIKEのランニングシューズ「ナイキ ルナエピック フライニット」の靴跡がモチーフとなっている。その上に無限大「∞」のカタチをしたランニングコースが設定されているのだ。200メートルのコース上には、LEDのスクリーンが並べられていて、この連続したスクリーンにアバターが映し出されるという設計。
走った速度や距離に応じて
アバターが成長
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/93570/1a90fa48c1954273bacd1d836419102248f58d3d.jpg)
ランナーは、ラップタイムを設定した後、シューズにセンサーを取りつけてスタート。
このデジタルな仕組みによって、アバターと並走することができるのだ。しかも、走った速度や距離に応じてアバターは成長して、走るスピードもアップしてくるからたまらない。そうなったら、もう真剣勝負。
こうやって、ランナーには、常に自己ベストのタイムを更新するチャレンジ が課せらていたのだ。
「負けられない」気持ちが
ユニークな体験を生んだ
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/93567/576dab158139f52e28fe663ae9d589d6592e2e1c.jpg)
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/93568/12f92f4a8b287ddabe243e7e08ff58ae65d44472.jpg)
アバターとの勝負は、LEDスクリーンによって一目瞭然だから負け続ける訳にはいかない。だから、自分を追い込むしかない。そこで、いかに自分の限界に挑み続けられるかが大きな鍵になってくる。しかも、このコースには、最大で30人ものランナーが参加ができるということだったので、想像するにランナー同士も刺激を与え合ったに違いないー。
当然、煽られるように走るワケだが、この背景には、自分の限界に挑み続けるランナーにインスピレーションを与えるというNIKEの狙いがあったようだ。
視覚的にも分かりやすくアバターとの対決といったユニークなユーザー体験を生むことになった本プロジェクトは、ONE SHOWをはじめとして世界中の広告賞を受賞する結果となった。