忙しくてクタクタだけど、わざわざ行きたい「日帰り大人旅」

都会の喧騒を忘れたいなら、ハンドルを握ろう。ここでは、週末東京からフラッと行けて気分転換できる、長すぎず短すぎない山梨・八ヶ岳の麓を目指した日帰り旅行をオススメ。

料理家夫婦をスペシャルゲストに迎え、5ナンバーセダンで美食・温泉・夜景を満喫する大人ドライブデートへ出発!

「ふたり一緒に車で出かけるのはいつぶりだったっけ?」

日高 良実
広尾にあるイタリアンレストラン「アクアパッツァ」、「アクアヴィーノ」のほか、横須賀の「アクアマーレ」を運営する総料理長。

「久しぶりだよね」

タカコ・ナカムラ
表参道で、ホールフードをコンセプトにしたお店「ブラウンライス・カフェ」を運営。商品開発やカフェのプロデュースなどに携わっている。

穏やかな田園風景に佇む
アートと地元野菜に出会うギャラリー

Gallery Trax(ギャラリー トラックス)
山梨県北杜市高根町五町田1245
ランチは要予約。営業時間は11:00-17:00。火・水・木は定休。

中央道を長坂ICで降りてから5分ほど。ここは、古材や廃材を使った家具や店舗設計などで活躍したデザイナーである故・木村二郎氏が、幼稚園だった建物を利用してつくったギャラリー兼アトリエだ。到着すると人懐っこい3匹の愛犬が出迎えてくれる。

今は、彼のパートナーである三好悦子さんが運営を引き継いでおり、木村氏を慕って集まるクリエイターやアーティストたちの発信基地になっている。

かつて学びの場として使われていた空間には、大きな窓から日がさしこみ、気持ちいい風が通りぬけている。時間の流れがゆるやかで、あわただしい日常を忘れられる。

電車では辿りつけない場所にある。グルメサイトには載っていない。メニューもない。それは、ここがレストランではないからだ。けれど、前もって予約しておけば、食べることが大好きな悦子さんが、旬やお客さんに合わせて腕をふるってくれる。椅子やテーブルは木村氏の作品だ。

「下味をこだわってつくっているのがわかるね」
「野菜の種類が多くて目にも美しい」
「セージ、マジョラム、ハーブの香りや味がとても濃い」
「東京ではこんなに新鮮なものは手に入らないよ……」
「ああ、おいしい〜」

知り合いの農家から仕入れる地元の野菜やフルーツに加え、愛犬たちと散歩しながら摘む庭のハーブなどがもりだくさん。まさにここだけと言える料理の味は、プロのふたりがうなるほど。

こんなに元気な野菜を食べたのはいつぶりだろう?なんて考えていると、いつの間にかあたりの澄んだ空気で胸がいっぱいに。

「景色がいいし空気がきれいだから、気持ちがふわ〜っとして、いつもよりおいしく思えてくるだけ」

そう悦子さんは謙遜するが、タカコさんは夢のような時間をすごせたことに感動していた。

「いつか自然あふれる場所で畑仕事をしながら、採れたての野菜を使った料理講座をやるのが私の夢。その映像が、悦子さんのひと皿から見えてきました」

豊かな自然、居心地のいい空間、素敵な展示作品に囲まれながら、ここでしか味わえないランチを食べる。そのために、遠方から通いつめるお客さんは後を絶たない。

少しだけ足を伸ばして
“もてなされない”が快適な温泉へ

ほったらかし温泉
山梨県山梨市矢坪1669−18
営業時間は日の出1時間前~22:00。年中無休。

車でしか行けない山の上にある「ほったらかし温泉」は、ギャラリートラックスから1時間ほど。「あっちの湯」と「こっちの湯」に分かれていて、場内やそれぞれの浴場から甲府盆地を見下ろす雄大な景色を眺められる。

温泉はオープンした頃ひとつだけだった。当時は車一台通るのがやっとの獣道だけ。徐々に施設が増設されていった。人気があるのは広々としている「あっち」だけど、最初にできた「こっち」から見る朝日も絶景と評判だ。

天気がよければ富士山が目の前に見え、登山道までハッキリと見える。

設備はどれも必要最低限の気楽なものばかり。知らずにくると驚くが、アメニティはしっかりと揃っている。軽食なども販売されており、至れり尽くせり。

その飾らない“いい加減さ”が、肩肘張らなくて良いと人気なのである。

名物は「温玉あげ」や「冷やしトンカツうどん」など

あたりは徐々に夕焼け色に染まっていく。みな思い思いに疲れを癒しながら日が暮れていく時間をのんびりと過ごす。丸太の椅子に座って山並みを眺めたり、風を感じるのも心地良い。

そうこうしているうちに暗くなってきたら、ほんの少し山を下ったところにある、見晴らしのいい展望台から夜景を見よう。

甲府盆地の夜景を見てからでも
東京に帰るのは遅くない

名前のない展望台
山梨県山梨市万力
終日開放

「名前のない展望台」は、知る人ぞ知る夜景スポットだ。八ヶ岳の山並みと甲府盆地に輝く生活の光を見渡せるほか、秋はコスモスが見頃をむかえ、春は桃と桜の花で景色がピンク色に染まる。名前がない理由は、敷地内の看板に書かれている。

ここからの景色を誰よりも愛しているオーナーの熱い思いが伝わってくるが、目の前に広がる光景を見ずして読むにはもったいない。内容はぜひとも現地で確認しよう。

車を停めてしばらくすれば、すぐに夜が訪れる。風を感じながらロマンチックな雰囲気に浸ったら、東京へ帰ってゆっくり休もう。大丈夫、きっと思っているよりも疲れずに済む。なぜなら、この車が最後まであなたの運転をサポートしてくれるから。

快適なドライブデートを
サポートしてくれたのは……?

この日、ふたりのデートに付き添ってくれたのは、7月6日にリニューアルされたばかりの「Honda グレイス」。

日帰り旅には、サイズがコンパクトで扱いやすい5ナンバーセダンがしっくりくる。ハイブリッドなので燃費も◎。

先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」により、ロングドライブも楽ちんだ。

車線をはみだしそうになればディスプレイの表示とハンドルの制御で知らせてくれ、手元で操作できるACC機能(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を使えば、アクセルペダルを踏まずに設定した車速や、前走者との適切な車間距離も保つ。飛び出さないために、誤発信抑制機能も装備。

運転の感想は?

「気がゆるみそうなくらい快適。一度慣れちゃったら戻れないね。ドライブ向きですよ」

タカコさんは、足を90度におろせるワンボックスが好み。セダンは苦手と聞いたけれど……。

「ヘッドレストに頭がフィットしてびっくり

ロードノイズが室内に伝わりにくく、会話も弾む。

「シートのホールド感がほどよくて、背筋が伸びるし足腰がらく〜♪」

一日運転するのが億劫にならない安心感を求めるなら、「Honda グレイス」はかなり信頼できる車だ。これもふたりのお墨付き。

子育てが一段落して自由な時間が増えたとき、“夫婦で快適なドライブデートを楽しむクルマ”を選んでみてはどうだろう。

何十年かぶりに夫と見つめ合いました
やっぱり、出会った日の爽やかな笑顔は不滅でした

取材協力:Gallery Trax,ほったらかし温泉,名前のない展望台.