東日本大震災を風化させないための「巨大風船」。
赤紫色のこの物体、一体なんだと思いますか?巨大な幼虫?実はコレ、移動式のコンサートホールなのです。
現在、東京ミッドタウンの芝生広場に設置されていて、多くの来訪者を魅了しています。
中は幻想的かつ広々
中に足を踏み入れてみると、想像以上に広々。高さ18m、幅30m、奥行36mというサイズで、約500名も収容可能だそう。アンモナイトのようなマーブル模様がなんとも美しいですね。
移動式という打ち出しどおり、折り畳んでトラックで輸送できるように設計されている点が最大の特徴で、塩化ビニールでコーティングされたポリエステル製の膜は1時間ほどの送風で大きく膨らみ、コンサートホールに早変わりするみたい。
東日本大震災を
風化させないために
この移動式コンサートホールの名前は「アーク・ノヴァ」(ラテン語で“新しい方舟”という意味だそう)。
遡ること2011年、東日本大震災の発生を受けてスイスの伝統的な音楽祭「ルツェルン・フェステバル」が復興支援として制作を企画。著名な建築家・磯崎新さんと彫刻家アニッシュ・カプーアさんの協働によって完成しました。
2013年から2015年にかけて、松島・仙台・福島で計3回展示されましたが、震災から6年が経ち、風化を防ぐためにも東北以外の地でアーク・ノヴァを展示したいという「ルツェルン・フェステバル」の想いに東京ミッドタウンが共鳴。
ちょうど東京ミッドタウンの開業10周年というタイミングとも重なり、記念イベントの一環として、このたび芝生広場に設置されることになったのです。
豪華イベントが盛りだくさん!
現在、このアーク・ノヴァにおいて、「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2017 in 東京ミッドタウン」と銘打って10月4日(水)まで下記のイベントが開催中(ないしは開催予定)。
【一般公開】
高さ18m、幅30m、奥行36mの巨大なアート建築の内部を都心で鑑賞できる貴重な機会です。被災地で行われたイベントの様子などもご覧いただけます。【六本木アートナイト スペシャルプログラム】
「六本木アートナイト」の特別プログラムとして、建築設計に携わった世界的建築家の磯崎新氏、ルツェルン・フェスティバル芸術総監督のミヒャエル・へフリガー氏、KAJIMOTO代表の梶本眞秀氏の3名によるトークイベントや、ミニコンサートなどが楽しめます。【ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ スペシャル・コンサート】
10月に来日公演を行うルツェルン祝祭管弦楽団のメンバーをはじめ、ルツェルン・フェスティバル・アカデミーの修了生、「アーク・ノヴァ」福島開催の際に会場を感動で包んだ声楽家・藤木大地氏やギタリスト・大萩康司氏、ソロのチェリストとして活躍する横坂源氏らを迎え、バッハ「無伴奏チェロ組曲」などの室内楽を中心にしたミニコンサートが開催されます。
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