ブランコ乗って、床に寝転んで。テート・モダンにできた「大人の遊び場」
ロンドンの「テート・モダン美術館」は、世界でも有数の近現代美術館。充実したコレクションが入場無料で見られる、アートファンにとってはある種“聖地”のひとつ。
そのテート・モダンに新しく作られた展示を紹介します。ナニこれ?どう見ても「ブランコ」なんですけど。
童心に帰って、ゆ〜らゆら
まさに“大人のための遊び場”。One Two Three Swing!は、今年で3回目を迎えるヒュンダイ・モーターズとのコラボ企画。
今展では、大人3人が横並びで腰掛けられる22台のブランコが設置されました。それぞれのブランコはオレンジ色のパイプで繋がっていて、上に吊るされている振り子もそれぞれが繋がっているんだとか。
こうしてビジュアルだけ見ると、正直…シュール……。
ちなみにこのおじさん3人組が、今回のインタラクティブなアート作品を作ったDanish collective SUPERFLEXのメンバー。 美術館にブランコという不一致を、どういったコンセプトで作ったんでしょうね?
無関心、創造、行動。
なんでも「人々の政治や環境問題、経済危機に対する無関心さを、インタラクティブなアートで変えていこう」という考えの元にデザインされたものなんだとか。
写真上は広々したタービン・ホールの展示。3つの段階に区切られていて、20メートルのケーブルで吊るされている振り子が表すのは、人々の「無関心さ」。ブランコが設置されていないカーペットの上は「創造」を、ブランコは「行動」と、3段階でそれぞれ構成。うーん、聞けば聞くほど難解。
頭上を行き来する振り子は、自分たちの意志で漕ぐブランコとは対照的なものとして見ることができます。このオレンジのパイプがブランコを繋げているように、ロンドン中を人々のインタラクティブな行動で席巻するというのが彼らの狙いだそう。
「"3人がけ"のブランコにも意味があるんだ。3人集まってブランコを漕ぐように、社会でも人々が協力して活躍していければいいなと思っているよ。僕らのようにね」
なるほど、ね。
ジャケット姿のいい大人が、こんなふうにしてカーペットに寝転がったり、ブランコに乗っているっていう図が、すでにアートっちゃアートなのかもしれない。
そうそう、彼らの展示は入場無料で、2018年の4月2日まで。ロンドンに立ち寄った際には、童心に帰ってブランコを楽しんでみてはいかがでしょう。