元Google社員が発案した、街によりそう「無人スーパー」。

小銭もカードも電子マネーもいらない、まったく新しい無人店舗「Bodega」。なんでも勝手に商品を持っていくと、あとから自動的に請求がくるというのですが…。こんなむちゃくちゃなイノベーションを起こしたのは、元Google社員の二人。これ、どんな仕組みなの?

ホントに大丈夫?
完全キャッシュレスの無人店舗

「Bodega」は、コンビニよりもさらに便利なミニ店舗。だそうです。横幅150センチメートルほどの棚に、食品から日用品まで、コンビニで買えるようなあらゆる商品が陳列されています。もちろん、生鮮食品以外ですけどね。

消費者は専用アプリを使って扉を開けて、この棚から好きな商品を持って行っていいそうです。自動販売機のようにボタンを押すことも、その場で現金のやりとりも不要。

で、肝心のどうやって商店としてワークするかという点ですが、設置されたカメラがどの商品を選んだかを認識し、追って登録しておいたクレジットカードに代金請求がされる仕組みだとか。ここまですべて自動、人の手は介しません。こうなると、100%カメラの画像を信用するほかないのですが、その精度は本当に大丈夫なんだろうか…。

開発者は、Googleで13年間プロダクトマネージャーを務めたMcDonald氏。同僚だったRajan氏とともにこの「Bodega」を開発しました。

消費者のニーズに
寄り添う品ぞろえ

Bodegaは、集合住宅やオフィス、ジムなど、あらゆる場に設置を予定しているようで。

すでに設置されたエリアでの市場調査をみても、必要とされる商品のニーズに合わせ、同じアパートでも女性が多く居住するならばアメニティや生理用品など、子供のいる家族に向けて、食品、トイレットペーパーなどの日用品と、消費者のニーズに合わせた商品選定が功を奏しているようですよ。

また、設置コストも割安に抑えられることから、実店舗よりも多くの場所に設置できるメリットも。エリアごと多様なニーズに細かく対応していくことがメリットなんですね。

誰もが便利に
買い物できる街へ

ところで、「Bodega」はもともとスペイン語で<小さな店、雑貨店>を意味する言葉。街で実際に営業(もちろん対面接客)するヒスパニック系の人々からは、「自分たちの店に取って代わろうとしている」「仕事が奪われるのではないか」といった声も聞かれました。

「『Bodega』の語源は、人と人のつながりがある、温かみのある店のこと。ヒスパニック系ではない人にこの名前を使って欲しくないし、ましてや無人店舗にその名前を付けるのには強い抵抗がある」

といった、厳しい意見があるのも事実。

これに対してMcDonald氏は、「ヒスパニック系の人々の仕事を奪うつもりは全くない。単純に『街によりそう店』という意味で『Bodega』という名前を使った」と、持論を述べています。

既存の実店舗と競合するのではなく、むしろ今苦戦している実店舗のビジネスを広げる手伝いをしたいとも話すMcDonald氏。様々な店舗や企業に「Bodega」の無人システムを使ってもらい、たくさんの人が便利に生活できる街をつくっていくことを目指しているそうですよ。

さて、無人スーパーマーケット、果たしてここからどんな広がりをみせるでしょうか。

Licensed material used with permission by Bodega
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。