Googleマーケターからのキャリアチェンジは、手づくりキャンドル屋さん!?
得てしてアロマキャンドルは、安いものかハイエンドで高価なものかで二極化します。買ったはいいが、「もったいなくて使う気になれないのでは意味がない」。こう考えたGoogleの社員が二人、会社を辞めてイチからつくり始めたリーズナブルなキャンドルが、ちょっとした話題になっているようです。
Googleの元マーケターがつくる
低価格のアロマキャンドル
Googleを退職して手づくりアロマキャンドルのクラフトメーカーをブルックリンに立ち上げたのは、Stephen TracyとHarry Doullの二人。
2014年、初めて顔を合わせたとき、話の流れで登場したアロマキャンドルの話題で意気投合。あまりに高価なものばかりでデイリーユースと呼ぶには程遠いという想いが一致したんだとか。それから1年後、温めていた計画を実行すべく、ブルックリンに倉庫を借りて起業。「keap」がスタートしました。
デザイン経験もない、マーケターとデータサイエンティスト。けれど、彼らにはGoogleで培ったビジネスモデルをキャンドル製作にも生かしていくのです。
フィードバックで改良を重ねる
「ユーザー中心設計」が生きた
まったくの畑違いの事業を始めた二人が、最も気を配ったのが「デザイン」だそう。デザイナーを雇ったものの、自分たちのカラーを打ち出すうえで、ユーザーのフィードバックに基づいて改良に改良を重ねていく日々だったとか。
デザインの各段階において、エンドユーザーのインターフェースに注意を払ってデザインしていくこと。そうした「ユーザー中心設計」こそ、前職で彼らが培ってきたノウハウだとTracyは強調します。
「製品のための素晴らしいアイデアを持っている。そのことが需要なんじゃなくて、それを届けたいエンドユーザーたちのことを理解していることの方が、よっぽど大切なんですよね」、とこんな具合に。
失敗や問題をどう解決していくか。Googleでの実践は、彼らのキャンドルづくりの原点に生かされ、ビジネスモデルとなっていったようです。
香りのイメージをネーミングに
「波」
新鮮な空気、潮の香り。太陽に焼けた砂の匂い。誰もがみんな海にあったかい思い出があります。このキャンドルは、そこにあなたの気持ちを連れていく香り。
シーソルト、ガルバナム、シーウィード、アニス、シクラメンなど。
「森の山小屋」
朝露おりた苔を踏みしめながら歩く森の中。風の冷たさも心地いい秋の日のハイキングを連想させる香り。
ヒノキ、シダーウッド、コケ、ナツメグ、パロサントなど。
「温泉でリラックス」
体ばかりか心までリラックスさせるスパ。うっとりするハーブ香の水を熱々の岩石にかければ、さっきまでの疲れも忘れてしまう。そんな心地良い香り。
スギ、ユーカリ、ミカンの花、ラベンダー、ユズなど。
「晴れた日のグリーンマーケット」
週末の朝、マーケットの横を通ると、山のように積まれたハーブや果実からむせかえるようなアロマ香が立ち上ります。収穫に感謝したくなるフレッシュなよろこびを表現した香り。
バジル、ミント、コリアンダー、ヒヤシンス、キュウリ、いちじくの葉など。
そうそう、このKeapのキャンドルは購入すると慈善団体「SolarAid」を通じて、電気を使えない環境で生活する人々に、太陽光で動くランプが寄付される仕組み。こんなチャリティに参加できるのもいいですよね。
残念ながら、今のところ米国国内のみの出荷だそうですが、今後国外への配送も視野に入れているそう。価格は1つ35ドル(約3,500円)なら、普段使いにもアリでしょ。