【注目の造り手】NZの手づくりワインが魔法をかけたようにウマい!

ワインの生産量で有名な国の産まれではない「新世界ワイン」を連載でご紹介している本企画。広い世界にたくさんのワインがあるように、造り手のほうも数え切れないほどに。中には、クリエイターと表現したほうがいい、信念と弛まぬ努力、そして想像力にあふれた方もいます。

手間をかけて大地の恵を表現したワイン

実は昔から、異業種で活躍していた著名人がワイン造りに参入するということは多いんです。道楽なのか、趣味なのか。いやいや、本当にワイン好きが講じて自分の納得いくものを造りたい、極めたいと思うのか。とにかく、セレブが経営するワイナリーはいろんなワイン産地に存在します。
古くは映画監督のフランシス・フォード・コッポラなどがいますし、歌手のスティング。俳優ブラッド・ピットなどといったショービズの有名人。それに、2002年サッカーW杯日本代表を率いたフィリップ・トルシエや今年Jリーグにやってきたアンドレス・イニエスタといったフットボールの世界からも。

そんな中でも、この人のこだわりには関心します。
人気シリーズの3作目、映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の撮影監督を務めたマイケル・セレシン。ニュージーランド出身の彼は、1992年にセレシン・エステイトというワイナリーを地元に設立。
創立当初から一貫して「ハンドクラフト(=手づくり)」にこだわり、丁寧なワイン造りで高い評価を受けるように至りました。

©2018 TABI LABO

ご紹介する「セレシン・エステイト シャルドネ 2015」のエチケットを見れば、そのこだわりもよくわかるもの。まさに「手づくり」といったイメージそのままの手形のデザインには、「心をこめられているもの」という意味もあり、1本1本丹精込めて造り上げているワイナリーの姿勢を表現。

また、「心がこもっているもの」=「生きている」という考え方でビオディナミ農法も実践。大地が持つ力やそこに棲む微生物たちの滞在的な力を引き出し、栄養分やミネラルを十分に吸って育つブドウからワインを生み出しています。

液色は淡い金色帯びた風合い。トロピカルフルーツとほのかな樽香が漂いながら濃厚で柔らかい骨格にリッチな口当たり。それでいてしっかりとした酸もあり、糖度と酸度の見事なバランス。

丁寧な作業で魔法にかかったみたいな味わいを発揮するセレシン・エステイトのワイン。
このワインに魅了され、毎年世界中から多くの若者がこの素晴らしいワイナリーで経験を重ねようと集まります。あのホグワーツの学校が魔法使いを世に送り出したみたいに、大地の力をワインに吹き込む魔法のような技をもつ醸造家が新たに生まれるんでしょうね。

そんなワイナリーの真摯な思いと手間で作られ、口の中に魔法のように味わいが広がる1本。味の虜になってしまはないか、お試しになるのもいかがでしょう。

セレシン・エステイト シャルドネ 2015

■産地:ニュージーランド
■ぶどう:シャルドネ
■色:白
■味わい・風味:辛口
■実勢価格:750ml 2,150円~

Top image: © 2018 TABI LABO
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。