【日本のワイン】ほんと「夫婦みたい」って言えてしまう
「新世界ワイン」をご紹介する本企画。我が「日本ワイン」もここ数年で格段と進歩を遂げ、世界的評価を得られる存在へと成長を遂げています。
そんな日本ワインで、オススメしたい手頃なものをご紹介します。
様々な要素がペアに相まって仕上がるワイン
こちらのワインの名前。ローマ字のふりがながなければ読めない方も多いかもしれない白ワイン「番イ(つがい)」。
言葉の意味はペアのこと。このワインが、自然の恵み&人間の知恵、葡萄農家&醸造家、ミネラル&アミノ酸といったペアにより美味しく仕上げられているのがわかります。
でも、一番わかりやすいのは、パートナーと飲むデイリーワインにオススメってことでしょうか。
フレッシュな果実感ある甘味とハッキリしたきれいな酸に爽やかな透明感。変に重厚過ぎず、かといって軽すぎず。バランスいいふたりの関係がつづいて幸せになるように、とでも言いたげな味わい。それが毎日続きますように、と2,000円もしないデイリーユース可能な価格もあと押し。
と、このワインの味わいについて「番イ(つがい)」具合を実現しているのが、シュール・リーという製法。フランス語で「澱(オリ)の上」という意味で、透明なワインが澱の上にある状態で静置しておく方法。
本来、澱は匂いがついたりする原因になるので取り除くのがワインの定石。それをあえて、接触した状態のままにすることで、澱の主成分である酵母菌体が自己分解。アミノ酸やペプチドが溶け込み、深みと幅のある味わいに仕上がるんです。
きれいごとばかりでは永くつづかず、ケンカや行き違いを越えて成り立つ長年連れ添った夫婦みたい。こんなところも、ニッポン的なワインかも。
なんだか今回はやたら感傷的な紹介になっちゃいましたね。だけど、とにかくこのワイン、甘さと強い酸の爽やかさで刺身なんかともよく合いますから、いい魚を買ってきてパートナーとつまむのに一杯なんて、いかがでしょ。
■産地:日本
■ぶどう:甲州
■色:白
■味わい・風味:辛口
■実勢価格:750ml 1,467円~