【珍しい国のワイン】「試す価値アリ」ベトナムの赤ワインは、冷やして飲んで!
「新世界ワイン」を連載でご紹介している本企画。イタリア、フランスといったワインの生産量で有名な国ではない、新世界からオススメの1本を紹介してきましたが、いま注目すべきなのが、ワインの醸造に最適とされてきた北緯30~50度のエリアからはずれた新緯度帯ワインです。
フランスの技術でワインをつくり続けて100年以上
北緯10~11度に位置するベトナム最大の街・ホーチミンから北へ約300km。美しい高原地帯「ダラット」で生産されるワイン。名前もそのまま「ダラットワイン」。1270円~で買える、こちらの赤をご紹介。
ベトナムでワインができるの? と驚く人もいるかもしれませんが、100年以上前から生産は始まっているんです。始まった頃はフランス統治下時代。
フランスから本格的な生産技術はその時点で持ち込まれたのですが、問題はブドウのほう。ベトナムの熱帯気候には欧州品種のブドウの育成にマッチしなかった。
そこで品種改良により気候条件を克服し、統治下時代から避暑地として有名な「ダラット」での生産が本格化。ベトナムで最もメジャーなワイン産地になったといいます。
このダラットワインは、ブドウだけでなく桑の実を加えてあることがポイント。これにより軽やかな苦味と酸味を帯びるのが特徴です。
色合いは薄いルビー色。口あたりはとてもライトで飲みやすい辛口。
で、赤ワインなのに肉を欲しくならない。やっぱりベトナムの魚や野菜を使った料理によくマッチするなあって印象。焼いても、炒めても、生でも野菜にあう。
先日取材で有機野菜農園に伺っていただいたミニトマトやニンジン、ピーマンをかじったときも、このワインが合うな~って本当に思いましたよ。
そのとき、長靴に三角笠をかぶっていて、いかにもベトナムの農夫風な格好だったのも、偶然ではなかったのかも!
飲み方も熱帯気候の国の赤ワインだからか、冷やして飲むのが味わいが際だちオススメ。桑の実のせいか、なんとなく香りもベトナム風に感じられてしまう。
いつもの新世界ワインとは少し様子の違う異才。ヘルシーな食卓にこれで個性を添えるのはいかがでしょ。
■産地:ベトナム
■原材料:カルディナル、マルベリー
■色:赤
■味わい・風味:辛口・ミディアムボディ
■実勢価格:750ml 1,270円~