「描き方」を知ると二度見してしまう、キレイなだけじゃない絵
まず、画面を拡大して絵を隅々まで見て欲しい。
私ははじめ、この絵を「キレイだな〜」ってなんとなく見ていた。でも、作者であるIris Scottの“描き方”を知って、思わず二度見。
……指だけで描かれている。
てん、てん、てん、点。せん、せん、せん、線。曲がったり、かすれたり。画面いっぱいに描かれている点描や線描は、手袋をはめてから、絵の具をつけて指を躍らせるように描いたものなんだ。
さらに、もう一つ驚いたことがある。
結構、でっかい。
一つひとつの作品が結構な大きさ。一枚の制作に費やす時間を聞いてみると、最長で2週間くらいかかるけれど、あまり時間はかかっていないとのこと。さらに、「10本の指に絵の具をつけて、タコのように描いているから早いのよ」というコメントも(笑)。
彼女にいくつか質問をしたのだけど、チャーミングな答えが返ってくることが多かった。フィンガーペイントに目覚めたキッカケを聞いたときも、「最初はブラシで描いていたんだけど傷んじゃって、だから手で描いてみたの……偶然の賜物ね」と。
でも、偶然とはいうものの、それだけでこの大作は生まれない。現在33歳のIrisは、美術大学を卒業後も熱心に芸術の勉強を続けていた。アートへの並々ならぬ情熱が、繊細でありながら、躍動感みなぎる作品を誕生させるまでにいたったのだ。
作者の「楽しい!」という気持ちが伝わってくるアート。キレイだなって思い、驚き、そして見る側も同じように楽しませてくれる。
最後に、指を躍らせて描く、Irisの姿を動画で。