「落ち葉」の中にある美しさを、切り絵にして人々の心に残す。
緑が豊かな夏を過ぎると色鮮やかな紅葉の秋になり、赤や黄色に輝いていた葉っぱは、冬にかけてヒラヒラと色褪せながら落下して積もっていく。地面いっぱいの落ち葉は、やがて人々に踏まれどんどん形をなくしていきます。美しい時期はあっという間に終わって、もろく崩れ去ってしまうと思うとちょっと悲しいもの。
1年しない間に朽ちてしまうそんな様子を見て、イラン出身のアーティストであるOmid Asadiさんは、枯葉に命を吹き込むために切り絵を始めました。キレイに咲くバラを踏みつける人がいないように、人々に愛される作品として蘇らせたのです。
花にも負けない
繊細な美しさ
「人生を終わらせた枯葉はそのまま消えてしまうのではなく、美しいアートとなって心の中で生き続ける」
そう語るOmidさんは、人々に花と同じように、葉の魅力にも気づいて欲しいとも言っています。彼の作品を見ていると、今までは当たり前のように踏みつけていた落ち葉も特別な存在のように思えてくるのです。