岐阜の「馬籠宿」で、江戸の旅人になる。
全国各地に「江戸」を感じさせるスポットはいくつかありますが、岐阜県にある中山道の宿場町「馬籠宿」はひと味ちがいます。
周りにも現代的な風景が少なく、足元には歴史を感じさせる石畳が敷き詰められ、左右どちらにも昔ながらの家屋が連なっています。見上げれば、電柱や電線がない大きな空が広がっているんです。
まずは、江戸の旅人に
なったつもりで。
グーグルストリートを見てみましょう。江戸の世界観にどっぷりと浸かれる宿場町であることが分かると思います。
もう少し細かく言うと、宿場への敵の侵入を防ぐための曲がり角や、民家にかかる江戸時代の屋号の表札など、街全体に歴史の面影が漂っています。
宿場町で、宿泊を。
観光地で、昔ながらの雰囲気のお土産屋さんが立ち並ぶ風景って、けっこう見かけますよね。「馬籠宿」にもたくさんありますが、食事や宿泊ができる建物もあるんです。
宿場町に実際に泊まるのって、意外と経験したことない人も多いのではないでしょうか。
上の写真は、「馬籠宿」のなかでも賑わいを見せる街道沿いにある「白木屋」。
秘伝のタレをつかった五平餅が自慢だそうで、お散歩中の休憩には立ち寄りたい場所。もちろん、宿泊もOKです。
左側にあるのが、こちらも街道沿いの「但馬屋」。なかには囲炉裏があり、宿泊した際にはそこで暖をとり、旅人たちと杯を重ねるのも粋。
右側は、街道からは少し奥に入ったところにある「万福庵」。ここでは精進料理が味わえて、座禅体験もできるそう。1日修行僧になって心を整えてみては?
辿りたい、文豪の足跡。
馬籠宿の中心部には、島崎藤村の記念館があります。
じつは島崎藤村は馬籠宿の本陣で庄屋、問屋を兼ねていた島崎家の生まれなんです。幕末・明治維新の動乱を描いた代表作『夜明け前』も、舞台は馬籠宿。「藤村記念館」では、希少な直筆原稿をはじめ約6,000点が所蔵、展示されています。
この他にも藤村の写真が見られる「清水屋資料館」や、大名が利用した上段の間が復元された「馬籠脇本陣資料館」などもあります。
ここでしか知ることができない歴史のドラマも、魅力のひとつですね。
「馬籠宿」のいいところは、見る、食べる、泊まる、学ぶ、という風に色々な形で豊かな歴史にどっぷり浸れるところなんですよね。