「5ドル分の延滞金を、1時間の読書でチャラにしてあげる!」
図書館の本の貸出期限、みなさんきちんと守っているでしょうか。読もうと思って借りたら、うっかり返すのを忘れていた!
という経験がある人も多いと思います。
日本はあまり馴染みがありませんが、アメリカの図書館では本の貸出期限を過ぎると延滞料が発生します。そう、まるでTSUTAYA。
『Los Angeles Times』で紹介されたLAの図書館では、その滞納金を「読書時間」で帳消しにする精度を導入し、話題になっています。
1時間の読書で
5ドル分の滞納金を帳消し
この帳消し制度が適応されるのは、21歳以下の図書館利用者。
図書館側はこれを「読書推進施策」とし、図書館で1時間読書をすることで滞納金のうち5ドル(約550円)が帳消しされます。
わずかな金額ではありますが、子どもや学生にとってはちょっと痛い。ちりも積もれば山となるもの。これが本を読むことで消えるとなると、結構大きいですよね。
East Los Angeles Libraryでは、週に100人もの学生がこの制度を利用しています。
コンピューターゲームで遊ぶのが何よりも好きで、調べ物をするにもインターネットを利用する小学生が、この制度をきっかけに、熱心な読書家になったという声も。
前提として、あまり本を読む習慣が定着していなかったのが、一番子どもたちを図書館に行く足取りを重くさせていたのでしょう。一度楽しさを知った時の、子どもたちの意欲といったらすごいですよね。
ブロックされていた
3,500件のアカウントが復活
この施策は去年開始され、既に大きな成果を見せています。
ロサンゼルスの図書館管理者であるDarcy Hastings氏は、これまで10ドル以上の滞納金を抱えて自動的にブロックされていた3500件のアカウントがこの施策によって復活したと発表しています。
一般的に、若い人は滞納金が発生してもそれを支払わず、そのままブロックされて図書館を使用しなくなる傾向にありました。滞納金の発生は、子供が学びのために図書館を利用することをやめさせてしまう大きな原因だったのです。
滞納金を「読書をすること」で補うという施策は、パソコンやスマートフォンで簡単に情報が入手できる時代において、子どもや学生に、もう一度読書の習慣を根付かせる効果的な制度だと思いませんか?