そのチョコ、「ただの板チョコ」とあなどらないで。

今年のバレンタインはどんなチョコレートをもらった?板チョコはちょっとがっかりだけど、それが「ビーントゥバー」なら話は別。

数年前から話題になっているビーントゥバーは、カカオ豆の買い付けから、選別、焙煎、摩砕、テンパリング、成形まですべての工程を一貫して自分たちの工場で行なっているチョコレートのこと。

東京・蔵前に旗艦店があるサンフランシスコ発祥の〈ダンデライオン・チョコレート〉で、これまでに世界13ヶ国以上のカカオ農園で買い付けを行ってきたというグレッグ・ダレサンドレさんに話を聞いてきた。

材料は、カカオ豆と砂糖だけ!

一番シンプルな方法でチョコレートを作ろうとしたら、必要な材料はカカオ豆と砂糖の2つだけ。スペシャリティカカオは高価なため、市販のチョコレートの多くは、コモディティカカオを使用し、さらに油脂や香料、ミルクなどを加えている。

ダンデライオン・チョコレートでは、シングルオリジン(単一原産地)のカカオ豆とオーガニックのきび砂糖以外には添加物を加えず、非常にシンプルなチョコレートを作っている。

彼らが販売しているビーントゥバーは現在7種類。だけど2つの材料だけで味の違いなんて出せるんだろうか。

今年で開催2回目になる「CRAFT CHOCOLATE MARKET 2018」にて、グレッグ・ダレサンドレさん。

グレッグさんによると、チョコレートの味を決めるのは、カカオ豆の産地、種類、発酵のさせ方、乾燥のさせ方、焙煎の温度や時間、砂糖を投入する時間の6つの要素だという。

「例えば2つのワインメーカーが、シャルドネ種のぶどうを使ってワインを作っているとします。同じシャルドネ種であっても、そのぶどうをどこで採ってくるか、どうやって醸造するかによって、ワインの味はまったく違う味わいになる。チョコレートもそれと同じです」

つまり、同じカカオ農園で育てられていても豆の種類が違えば異なる味になるし、同じ種類の豆でも発酵や乾燥の仕方が違えば味わいが変わるというわけ。

そしてカカオ豆と砂糖以外には材料を加えないのだから、豆の味の違いはダイレクトにチョコレートの味に表れるのだ。

中にクリームやソースが入っているトリュフもいいけど、シンプルな材料で作られるビーントゥバーも背景を知ると奥が深くて面白いなぁ。

Top Photo by Dandelion Chocolate Japan
Licensed material used with permission by DANDELION CHOCOLATE
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。