伝統的な「大理石」を意識した彫刻たちが、あまりにもやる気がない
大理石の彫刻と言えば、伝統的な芸術。石で作られているとは思えない滑らかな質感や、感情に訴えてくるような表情などが特徴ですよね。
そこに命はないのに、まるで生きているようなリアリティを持つ芸術に、圧倒されたことがある人も多いのではないでしょうか。
バルセロナを拠点にするスペインのアーティストGerard Masさんは、伝統的な彫刻を意識しているような作品を生み出し続けています。
が、なんかちょっと雰囲気が違う…?
こんなのアリ?
やる気のない伝統芸術。
ほじほじ。
ほじほじほじほじ。
こちらがGerard Masさんの作り上げた彫刻。
滑らかな肌も柔らかそうに見える衣服も、美しい色合いも伝統的な大理石彫刻の在り方を踏襲しているのに、思いっきり鼻に指を突っ込んでいるのがシュールすぎる。
「間違えてオフのときにうっかり彫刻にされてしまった」というようなかわいらしさもありますけどね…。
え、どういう状況?
というか何を思ってこの表情なの?
小顔ストレッチ?
あ…そちらの世界では、風船ガム流行ってるんですね。美味しいけどね。
昔はなかったでしょうしね。
ただ、上の女性。表情が真剣すぎる。
こちらの方は棒付きキャンディーを舐めていますね。これは。
表情が完全に虚無ですが、何味なのか気になりますね。
CM中の実況席みたいな気の抜けた表情。っていうか、これ髪の中にヘッドホンが入ってるんでしょうか?
全部そうですが、目に光が宿っていない感じが非常に良い味を出しています。
ずっと室内にいたんじゃ?日焼けが痛そうですね。
そうですよね。人に見られるんですから、歯の矯正だってしないとですよね。
一応伝えておくと、すべての彫刻が大理石というわけではありません。「大理石の彫刻を意識しているが、ガラスや樹脂などで作ることもある。それは、伝統的な芸術を現在を生きる私のアイディアで表現することで、過去を見つめている。それが私にとって、とても有意義なことなんだ。」Gerard Masさんはこう語ってくれました。
どの彫刻も、飾り気のない女性のありふれた表情を切り取っているようで、じっと見ているとだんだん愛着が沸いてくるから不思議。
愛らしい生活感が、かつての芸術とは別の角度からリアリティを感じさせてくれる、素敵なシリーズと思いませんか?