韓国、犬肉食が「違法」に。伝統的な食文化に終止符

犬肉食の禁止に向けた議論が行われていた、韓国。ついに法案が可決され、伝統的な食文化に終止符が打たれることとなった。

韓国、犬肉食禁止法案を可決

韓国は、食用犬の飼育や屠殺を禁止する法案を可決。長きに渡る議論の末、伝統的な慣習は終幕となった。

今回の法案可決で禁止となるのは、犬肉を使った食品の流通や販売。つまり、食用犬の飼育や販売などに従事する人が主な対象となり、犬肉を食べた人は処罰の対象ではないという。

同法案では、食用犬を処分した人には最高3年の懲役または最大3000万ウォン(約340万円)の罰金が科せられるらしい。また、故意による犬肉製品の入手や輸送、販売なども罰金や懲役の対象になるそうだ。

犬肉食が禁止となった背景は?

韓国では、犬肉は夏の暑さを乗り切るための伝統的な食べ物とみなされてきたらしい。また、現在と比べて貧困率が高かった時代は、安価で簡単に入手できるタンパク質源でもあったそうだ。

しかし、近年では動物愛護団体などによる批判の声が高まり、犬肉食を見直す動きが出てきたとのこと。加えて、ペットの飼育が普及した昨今では犬肉を敬遠する人が増え、韓国の「Gallup」の調査によると犬肉食に反対する人の割合は増加傾向にあるという。

また、統計調査によると、ソウルでは犬肉を提供するレストランの数が2005年から2014年で40%減少。倫理的な問題と需要減という理由から、犬肉食禁止が決定されたと言えるだろう。

なお、食用犬飼育場のオーナーや犬肉レストランの経営者など犬肉に関わる仕事をする人には、廃業や業種転換までに3年間の猶予が与えられるとのこと。事業者が滞りなく別の事業に移行できるよう、自治体や政府などによる支援が求められることになりそうだ。

犬肉食文化は、ベトナムの一部地域や中国南部などにもあるとされている。今回の韓国の動きは、ほかの国にも広がっていくのだろうか?

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