「毎日やる気が起きない」あなたに、3つの秘策

仕事をする上で「モチベーション」の有無はとても重要なことですが、勝手に生まれてくるものではありません。さまざまな要因で、ムクムクと湧き出てくるものです。

池田貴将さん著『図解 モチベーション大百科』(サンクチュアリ出版)では、その正体を突き止めるべく、さまざまな研究者が発表してきた説を簡潔にまとめています。

ここでは、動機付けのモデルケースとして「やる気をアップする方法」を見ていきたいと思います。

頑張った先の「ご褒美」を
用意しておく

毎日何のために働いているのかを考えると、さまざまなことが頭に思い浮かびます。

達成感を味わうためか、仕事のあとのビールを味わうためか、家で待つ家族の笑顔を見るためか…。

自分への日々の報酬を用意しておくのは、人生だけではなく、仕事に幸福感を持たせるために大切なことです。ところが、1~2ヶ月もの間モチベーションが下がり続けているという場合は、それが通じません。自分で新たに報酬を用意すること、が必要になります。

例えば美味しいものを食べに行くとか、欲しかった物を購入するとか、どこかに旅行へ行くなどの「ご褒美」を予定することで、モチベーションを調整することができるのです。このようなご褒美は、あなたがスケジュールを立てた瞬間からモチベーションを高めてくれて、「それが消費されるまで」やる気を保ってくれます。

消費するまで持続できるのならば、未来にご褒美の予定を入れたほうが得なのではないでしょうか。しかしこの方法は、平均して2ヶ月程度しか持続しないことが分かっています。ということは、今から2ヶ月先にご褒美を仕込んでおくのが、最も効率よくモチベーションを持続させる方法になりますね。

「頑張ったからご褒美を与える」という考えではなく「頑張った先にご褒美が用意されている」からこそ、幸福感を持って仕事ができるのです。

自分にも「お伺い」を
立ててみる

私たち人間は、命令されることが苦手です。

例えば、誰かに「お願い致します」と丁寧な口調で頼んでも、それだけでは拒否したい気持ちしか生まれません。そうではなく「お願いできますか?」と聞き方を変え、相手に「いいえ」と答える余地を与えるだけで「はい、やります」と依頼を受けてくれやすくなるのです。

面白いことに、この法則は対人だけではなく、自分に対してもよく当てはまります。思考の中で「さぁ、やるぞ」「始めるぞ」という風に自分を動かそうとするよりも「できるかな?」「始められそうかな?」という風に優しく問いかけたほうが、やる気が上がります。

同僚や上司に気をつかっている人も多いことでしょう。でも肝心の自分自身に対しては「さっさとやれ!」「あれもやるべき! これもやるべき!」と厳しく当たり続けていませんか?

そうすると心が疲れていくだけではなく、だんだんモチベーションがなくなっていきます。仕事に取り組むときは自分という人格を2つに分け、ご機嫌を取るマネージャーになったつもりで「できそうかな?」「大変だったら無理してやらなくてもいいけど、やってみる?」と優しく聞いてみましょう。そして「できそうな理由」をいくつか書いてみましょう。

そのほうが、きっとやる気が出てくるはずです。

「どう思われたいか」より
「どうしたい」か

「お客様に喜んで頂くため」「上司に安心して任せてもらうため」「社内で一番のプレゼンターになるため」など、客観的理由(人からどう思われたいか)を仕事の目的にしていると、次第に社交的で気配り上手な人物になっていきます。

そして自分の仕事ぶりを評価されるたびにモチベーションは上がり、さらに良い結果を出し続けることができます。しかし、しばらくその状態が続くと、急にモチベーションが上がらなくなるときがやってきます。なぜなら、「客観的理由」は自分でコントロールしようと思ってもできないので「評価を落とさないレベル」で満足するようになるからです。

一方で「もっと良いものを作りたいから」「問題解決能力を高めたいから」「最高のサービスをしたいから」など、主体的理由(自分がどうしたいか)を仕事の目的にしていると、モチベーションを一定に保ちやすくなります。以前までの自分との比較になるので、工夫のしがいがあり、ストレスも溜まりにくくなります。

モチベーションを短期集中で上げたいときは「周囲と競争する」のも良いのですが、「自分自身の進歩」を評価したほうがより仕事を楽しめますし、継続的に成績を伸ばしていくことができるのです。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。