「やばい、やる気が出ない…」を解決するリカバリー術

苦手な仕事や面倒な手伝いをやらなければならず、どうしても気持ちが乗らないときってありますよね。そうなると、いつまでたっても仕事は捗りません。

メンタルコンサルタントの笠原彰さんの著書『気持ちの片づけ術』では、そんな感情をしっかりコントロールし、モヤモヤした気持ちをクリアにするコツが紹介されています。それは、誰にでもできる簡単なメンタル・リカバリー。

やる気が持てなくて、毎日何となく過ごしているビジネスパーソンにぜひ。

2種類の「やる気」を
理解する

やる気とは、モチベーション(=動機づけ)のこと。

心理学における動機づけの研究では、多くの理論が発表されています。中でもモチベーションに関する理論を知っておくと、空回りしているときに自分で対処しやすくなるので、覚えておきましょう。

ここで、やる気に関する有名な理論である「外発的モチベーション」「内発的モチベーション」という考え方を紹介しましょう。

外発的モチベーションとは、稼げるからやる、有名になりたいからやる、といったように、給料、昇進、社会的地位の向上を目的として頑張ろうとする気持ちのことです。一方で内発的モチベーションは、楽しいからやる、好きだからやる、というように自分への興味や挑戦から生まれるものです。

その割合が時々によって違うだけで、人間は外発的・内発的に限らず両方のモチベーションを持っています。もしやる気が起きないとき「今どちらが足りないのか?」を検証するだけで理由が整理され、どうすれば良いのか対策が分かります。

たとえば

「経済的報酬アップを目的にやってきたけれど、お金だけでは満足できない。次は足元を見直して、内発的モチベーションで頑張ってみよう」

と切り替えができるのです。何かをする際は、自分の心に2つのやる気があることを自覚し、うまくコントロールしてみましょう。

【Do it】
2種類のモチベーションを使いこなそう。

「作業興奮」で
やる気スイッチを入れる

人が集中をするとき、照明のように突然「バチッ」と電源が入るわけではありません。何かをきっかけに、少しずつ集中力が高まるのです。そこに、自ら簡単な作業を与えることで、脳を軽い興奮状態へと持っていくことができます。これを「作業興奮」と言います。簡単な作業は、集中状態へ入るスイッチのようなものです。

このスイッチは、仕事だと、机を拭く、少し音読をする、短時間の散歩をするなどが該当します。みなさんも「自分はこれをすると集中状態へ入れる」という行動を色々と実験して「自分だけの作業興奮行動」を作ってみてください。

短時間でできるもの(集中したい時は◯◯のコーヒーを飲むなど)が見つかれば、すぐに集中状態へ入ることができるようになるでしょう。その日の思いつきで変えるのではなく「こうしたら私はこうなる」という行動を、事前に決めておくことが大切です。

もちろん、決めただけでは効果はありません。何回も練習してみてください。人のやることですから、飽きてきたり、形骸化して効果が薄くなることがあります。そのときはイチから作り直すのです。

自分に最も適している方法は、他人から与えられるものではなく、自分で発見することが重要です。試行錯誤して、繰り返し練習してください。そうすれば「あなただけのやる気スイッチ」が見つかるはずです。

【Do it】
集中するときに飲むコーヒーの銘柄を決めておく。

やりたくないことには
「ご褒美の美学」を

好きなことをする、好きなものを食べることを目標に頑張ることは、モチベーション強化に役立つ方法です。好きなことをして食べていけたら最高ですが、現実問題として嫌なことや大変なことでも、やる気を維持していく必要があります。

ここで、気乗りしないときに役立つやる気アップ術「好子出現の強化」を紹介します。

簡単に言うと、テンションが下がるあとに楽しみを入れて、やる気を増幅させるということです。たとえば「嫌な仕事を終えたあとに、コンビニに立ち寄る」など簡単なことでもかまいません。ここで重要なのは、「好子(ご褒美)はできるだけすぐに与える」ということ。嫌なことがあってもすぐに良いことがあるので、モチベーションはアップします。

これは、自分がしたくないことを「しなければならないとき」に効果を発揮します。人間ですから、どうしても好きになれないものは存在します。「好きになろう」としてもなれないのが現実。それではパフォーマンスが低下してしまうので「好子出現の強化」をうまく使うことが大切なのです。

【Do it】
苦手な仕事は、ご褒美を想像して乗り切る。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。