本番前の止まらないドキドキ。「緊張」をコントロールするコツとは

とにかくあがり症で、本番前はガチガチになってしまうーー。「緊張」に悩みを抱えている人は多いかもしれません。

メンタルコンサルタントの笠原彰さんの著書『気持ちの片づけ術』では、ネガティブな思考を持ちやすい現代人へ向けて、心をコントロールする技術を指南。

自分の能力が発揮できる明るい未来のためにも、参考にしてみては?

緊張している自分を
「可愛い」と思ってみる

心配な気持ちは、消そうとすればするほど増幅してしまうもの。どうしても気になる人は「不安がっている自分、カワイイ」と思ってみてはいかがでしょうか?

このように状況を楽しんで「自分をもっと緊張させよう」などと思える人は、かなり高度なメンタルテクニックの持ち主。

こういった人たちは、2つの特徴があります。

1つ目は「自分が見えている」ということ。本来の自分を見失った状態でイライラしていると、正しい判断はできません。しかし俯瞰で見えていると、自ずと冷静さと修正力を持ち合わせるようになります。

2つ目は「逆説志向」を持っているということ。不安などのネガティブな感情は、普通なら抑制したいと思いがちです。しかし、逆説思考を持っている人は「そんな自分をもっと楽しもう」と楽観的に対応できます。「ドキドキするなぁ」という不安を「いつもの2倍緊張してやろう」と、自分が望む状態とは逆の思考をすることで、不安を自然に減少させているのです。無理にポジティブにする必要はなく「2倍ネガティブになってやるぞ」という逆説思考が、適度な緊張状態を保つポイントとなります。あなたもこの2つを頭に入れて行動してみると、心配に左右されない生き方ができると思います。

【Do it】
緊張している自分を観察する。

あえて緊張を
上げてみる

ドイツのゲシュタルト心理学者クルト・レヴィンは、緊張感によってやる気や集中力を高める行為を「システムインテンション」と名付けました。

ここでゴルフ選手に着目しましょう。試合中はボードに順位が表示されていますよね。自分の順位が上がるとやる気が出る人もいれば、逆に不安になって落ち込む人もいます。反対に、本当は見たいのにあえてスコアボードを見ない選手だっています。

こうして、あえて自分がストレスを感じる行動をすることによって、システムインテンションを作り出しているのです。

自分で緊張を意図的に上げることができるのであれば、下げることも簡単です。本当は怒りたいのに笑うことで、自分にストレスを与えて集中力を作り出せますし、失敗して下を向きたいのに笑顔で上を向くことで、切り替えを早くすることも可能です。

良い結果を出すためには、適度な緊張が必要です。ネガティブな感情は悪いものだと勝手に判断しないようにしましょう。

【Do it】
緊張の上げ下げをコントロールしてみよう。

緊張をゼロにするのではなく
「5%減」を目指す

いくら楽観的に見える人も、多かれ少なかれ緊張を感じています。こうした不安な気持ちは、外敵から自分を守ろうとする予感のようなものであり、一種の自己防衛ですから「ゼロ」になることはありません。

不安を抑える方法としてよく使われるのが、深呼吸です。呼吸法は大切で、その方法によって、自律神経の働きが変わり、行動にも差が出ます。できるだけ意識を外側に注意を向けること(ストレッチをするなど)で、緊張が減少します。

たとえば、最大の緊張レベルを100%とし、現在90%くらいの非常に高いネガティブな状態にあるとします。そこで、1度深呼吸や軽いストレッチをして5%落ち、85%になりました。…これで良いのです。この程度に止めておくことが重要なのです。

なぜなら、適度な緊張状態にあることで、注意力が維持され、ミスを防ぎ、良いパフォーマンスを得られるからです。人によっては10%や20%落としても良いのですが、いきなりゼロにしようとして何度も深呼吸するのはやめてください。

こうした自分の緊張レベルを数値化する習慣をつけておくと、自ずとコントロールしやすくなります。このレベルは個人差が大きいので、自分で適度な数値を決めておきましょう。

【Do it】
深呼吸は数回だけ。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。