断食をテーマにつくられた食器

パリのデザインスタジオ、「Studio Dessuant Bone」が手がけるこちらの食器、一見「何かの冗談では?」と思ってしまいますよね。

料理を盛るという最も重要なアイデンティティを失い、実用性という観点では何の価値もないデザイン。しかし、これらのテーブルウェアに託されたテーマを知ると、概念をそのまま具現化したアート作品であることがわかります。

 

青い空虚な食器
託されたテーマは「断食」

パリのデザインスタジオ、Studio Dessuant Boneが手がけた一連の作品は、企画展「A Stomaco Vuoto」で発表されたものの一部。

テーマは“断食”でした。

どれも食器のカタチを象っただけの影のよう。

正直まったく使い道がない……ですよね。でも、それこそがこの食器の持つ意味。食を絶つことを思い浮かべたときの空虚感や漠然とした不安を、そのまま形骸化したとき、この実体のないテーブルウェアに行き着いた。ということなのでしょう。

無機質な針金は、その虚しさとともに存在感も主張します。そういえば「青」は食欲減退を招く、食とは最もかけ離れた色彩なんてことも耳にしますよね。

健康、宗教、あらゆる目的で断食を行う人たちがいますが、彼らの心の内を反映しているのかもしれませんね。

Photo by Studio Dessuant Bone
Licensed material used with permission by Studio Dessuant Bone
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。