イケアが開発した「食卓で食べない人」のための食器

質問:「あなたは毎日どこで食事をしていますか?」

この質問から始める理由は、あなたの答えがこのイケアの食器の必要性を左右するから。すでにロングセラーだった「IKEA 365+」のディナーウェアシリーズを3年もかけて刷新した理由には、イマドキのライフスタイルが色濃く反映されていました。

ベーシックなデザインに彼らが施した、リュニューアル後の工夫とはなんだったのでしょう?そのまえに、まずはこんな研究結果から紹介していきます。

もう、ダイニングテーブルは要らない?

現代の多忙なライフスタイルが原因で、慣例的な食事時間が変わってしまったイギリス人にとって、ダイニングテーブルで食事をする機会はますます減ってきている」。

The Telegraphが伝える記事によると、2013年の時点で研究者たちは、人々の生活環境の変化と、それによって食事をする場所も変わりつつあることを示していました。食卓の場は、ダイニングテーブルからソファやテレビの前へと移動、それも家族全員がそこに集まっている訳ではない、と。

対象者500人は、調査と呼ぶにはやや寂しい数字ではあるけれど、ダイニングテーブルで食事をしている人の割合を調べたところ、週に1回〜2回という人で全体の10%に満たない数字。3人に1人は年に数回、3%にいたっては、テーブルすらないとの回答だったようです。

もちろん、家族揃ってダイニングテーブルでの食事が好ましいが、現実は日々の仕事に追われ、家に帰ればゆっくりソファでくつろぎながらごはんを食べたい、というのが心情でしょう」とは、調査員の弁。こちらはDaily Mailから。

ではこの結果、はたしてイギリスだけのもの?最初の質問の答えがテレビの前だった人、結構いると思うんだけどな。

時代のニーズに合った食器
シンプル=自由度の高さ

改めてIKEA 365+を見ていきましょう。

この20年近い間に、人々のライフスタイルは劇的に変化してきました。日本だけでなく世界中で。1990年代に登場したディナーウェアの刷新にあたり、IKEA 365+の開発者らはこの変化に着目したそうです。

ユーザーの家を実際に訪問し、ニーズを汲み取り、デザインに落とし込む。毎日の生活の中で変わっていく暮らしのニーズや、食事をとりまく状況の変化を細かくヒアリングし、開発にあたる。

あらゆるものが低価格で、それもバリエーション豊富に選べるイケアのものづくりの舞台裏で、3年も開発にかけているとは意外だと思いませんか。

こうして、あらゆる食事のスタイルに対応できるよう、今の時代のニーズに合わせてリニューアルされたのIKEA 365+シリーズという訳です。

たとえばこの深皿/ボウル(399円)、握りやすさと、食事を運んだときの安定感がウリ。ちょっとソースが多めのパスタでも、ソファに深く座りながらだって、こぼさず食べることができそう。

友人を招いたホームパーティーには、サービングプレート(399円より)がおあつらえ向き。お皿の上にグラスを置いて移動することもこれなら楽々。

いつもよりゆっくりの週末のブランチは、ベッドでそのままだってアリでしょ。

収納性の良さも好感度◎

モノに囲まれて生きることが本当の幸せなのか。近年、欧米を中心にシンプルライフやタイニーハウスに傾倒する人が増えています。モノを最小限に抑えたとき、きっと食器もこういうものになるんじゃないかと。

シンプルでベーシックゆえに飽きずに、長く愛用できる無地の白皿ならば、これ一式でだいたいのことはまかなえてしまうから。

そして、これも大事なポイント。IKEA 365+は収納性にもこだわりがあるんだそうです。コンパクトな収納スペースでもかさばらないよう、グラスもボウルもすべてスタッキング(重ねて収納)でき、キャビネットの中でも場所をとらない。

ごはんも、おかずも、ラーメンも、どんぶり一つで済ませていた学生時代に戻ったような感覚が、久しぶりに蘇ってきました。そういえば、あの頃もソファやベッド、テレビの間であぐらをかいて好き勝手に食べてたっけ。

食事はきちんと椅子に腰掛けて、はもしかしたら、もうずっと以前からみんなの中で失われていたのかもしれません。食のシーンの多様化に合わせ、TPOで使い分けが利くお皿が、やっぱり一番重宝するってことなのかも。

Licensed material used with permission by イケア・ジャパン
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。