「ん?」ってなる体験型ケータリング

コト消費!いまはコト消費だ!

と言われて久しい。たしかにただただ「いいモノです!」と紹介されても、財布のヒモはゆるまない。そこに何か付加価値を見い出せたり、感動や共感して心が揺れ動いたりしないと、買う気にはならない。

モノは少ないほうが暮らしやすいし、それなら楽しくて身になることに時間もお金も使いたい。たとえば友人と旅行したり、ブランチしたり、映画を見に行ったり……。

そんな消費者マインドの変化により、最近では友人間での大人数でのパーティを開催する若者が増えている。まさに、その時間、その空間に広がる楽しさを友人たちとシェアすることに価値を見い出し、物ではなく体験にお金を払っているのだ。そうしたニーズの高まりに伴って、レンタルスペース需要も増えているという。

ケータリング呼ぶからさ、
おいでよ。

© 2018/Mo:take

SNSを眺めているとホームパーティの楽しげな写真たちが流れてくる。キラキラしたそのシーンにうらやましさを抱きつつ、♡をポチリ。

こんな経験がある人は多いと思う。自分が幹事だろうがお呼ばれした側であろうが、みんなが楽しめることはMUST。しかもその楽しさは、SNSなどににじみでてくるくらいがちょうどいい。

こうしたニーズに応えるように、ケータリングが日々進化している。
"ケータリング"というとどうしても"企業の催しで頼むもの"というイメージが強く、個人でのパーティの場合は一人一品持ち寄りや、その場でつくることが多いと思う。けれど、あえて友人とのパーティで頼みたくなるものもある。

たとえば、この「食べられる土」。

え、土?
食べて平気なの??

© 2018/TABI LABO
© 2018/TABI LABO

畑感満載のこちらは、土も含めてすべて食べてOK。
いや正しく言うと、土のようなものを野菜にふりかけて召し上がれ、という感じ。

そう言われてもなかなか受け入れられそうにないこの土のようなものは、実は、ツナフレークとオリーブを混ぜ合わせたドライドレッシング。この土色はオリーブで付けていて、魚の旨味とオリーブの香りがふわっと広がる、ワインに合う味。

実物を間近に見ても土のようにしか見えないから、おいしいとわかっていても食べるのに戸惑うけれど、土を食べているような体験なんてなかなかできないから、パーティでぜったいに盛り上がれそうなメニューだ。

へぇ、シカとイノシシって
こんなに味が違うのかー(学び)。

© 2018/Mo:take

お次はこちら。
「動物バーグ」といって、まったく同じ味付けのシカ、イノシシ、ラム、牛の4種類のなかから2種類選び、肉本来の味比べができるというもの。

ハンバーグが転がっているシュールな絵面だけど、このハンバーグの下にはその動物の絵柄が描いてある。カルタ遊びのように、答え合わせをしながら食べるのも楽しい。それぞれの肉を食べた経験はあっても一度に味比べをするなんて、なかなか機会がないし、子ども連れがいるパーティなら食育としても喜ばれそう。

© 2018/TABI LABO

"動き"のあるパーティ

これらは、ケータリングサービス〈Mo:take(モッテイク)〉が提供するフード。「体験を食べる」をテーマに、「食べられる土」や「動物バーグ」、塩水につけて甘みを引き出した野菜スティック「野菜の水槽」、テーブル一面に野菜が広がる「野菜の庭」など、ユニークなメニューを数々提供している。

代表の小野さんは、

最近では、体験としての"食事"を希望するお客様が増えています。こうした体験型のケータリングを、私たちは「グラン・ケータリング」と呼んでいます。パーティ料理を、改めてエンターテインメントとして捉えることで、参加者の会話が一層広がったり、忘れられない体験になるのです。

と話している。

友人同士のパーティとはいえ、大人数になればなるほど、仲のいい人で固まってしまいがち。たしかに、こうしたエンターテインメント要素のあるフードが並んでいれば、おのずと会話も増え、普段そこまで話さなかった人や話しかけづらかった人との会話のきっかけになりそうだ(用意する手間も省けるしね)。

ユニークな料理に感動して、いつもより箸も進み、関係の浅い人にも積極的に話しかけ、写真撮影する手も動く……。食べるという体験一つで、ここまで"動き"のあるパーティになるのなら、持ち寄り品や手料理ではなく、いつもより少しだけお金をかけて、体験型ケータリングで「食」が主役のパーティを開くのもいいかもしれない。

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Top photo: © 2018/TABI LABO
Licensed material used with permission by Yuinchu
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。