新発想。水に溶かす「玉」シャンプー

小学生のとき、「歯磨き粉」がなんで"粉"といわれるのか、その理由を聞いてすこしびっくりしたことをいまでも覚えています。

いまやドラッグストアへ行けば、洗剤コーナーもほとんど液体。
少し前は顆粒タイプばかりだったのに、日々技術の進化を感じますよね。

でもこの"液体であること"に疑問をもった人がいます。
それは、オランダのデザインアカデミー生だったMirjam de Bruijnさん。

彼女がつくったものが、これ。

水に溶かす
タブレット洗剤

© 2017 Mirjam de Bruijn
© 2017 Mirjam de Bruijn
© 2017 Mirjam de Bruijn
© 2017 Mirjam de Bruijn

彼女はあるとき、ここ10年ほどで衣類用洗剤のサイズがどんどん小さくなっていることに気づき、リサーチをはじめたところ、ほとんどの家庭用洗剤において、約80%が水でできていることを発見。そして生みだしたのが濃縮洗剤「Twenty」です。ご覧のとおり、水に溶かして使うタイプ。

いまや日本では詰め替え用が一般的なように、Twentyも専用ボトルに入れるため、環境にやさしい。かつリサイクルされた段ボール紙で包装するため、プラスチック廃棄物や不要なCO2排出量を大幅に削減できるといいます。しかし、それだけじゃないとMirjam de Bruijnさん。

Imagine how much we can safe if we wouldn't transport water. 1 Airplane instead of 5, 80% less CO2 emissions.
(水を輸送しなければどれくらい安全になるか想像してみて。5機必要な飛行機が1機で済み、CO2排出量が80%も抑えられるの。)

© 2017 Mirjam de Bruijn
© 2017 Mirjam de Bruijn

水を輸送することで軽減されるCO2排出量なんて、これまで考えたこともなかったですが、いわれてみれば確かにそう。納品にかかるコストの軽減にもつながります。

実はこれ、彼女の卒業制作プロジェクトのため、市販はされていません。ですが、HEMA design datenにて賞を受賞。商品化に向けて動き出しているようです。

将来こうした濃縮洗剤が一般的になり、孫世代やひ孫世代が液体洗剤がたくさん売られているドラッグストアの話を聞いてびっくりするような時代がくるかもしれませんね。

© 2017 Mirjam de Bruijn
Top photo: © 2017 Mirjam de Bruijn
Licensed material used with permission by Mirjam de Bruijn
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