静岡・島田の老舗茶屋がつくった「お茶バーガー」は、ビックリするほど本格派!

静岡県の島田市には、「島田市緑茶化計画」なんてものが立ち上がってしまうほど、お茶にまつわるお菓子や料理がたくさんあります。なかでも、思わず「ん!?」と聞き返してしまったのが、老舗のお茶屋さん「朝日園」が運営する「茶房 遊(ゆう)」の、お茶バーガー。

よくある、勢いで作っちゃった系ですか~? なんて食べてみたら、思わぬ本格派。お茶の底力を知ることになりました。

イベントをきっかけに火がついた
「お茶バーガー」

© 2018 TABI LABO
ドリンクとお茶ポテトチップスがついた「お茶バーガーセット」(1000円)、チョコ抹茶オレ(単品450円)

さっそくお茶バーガー、いただきます。

ハンバーガーとお茶……未知の組み合わせにドキドキでしたが、まず噛んだ瞬間にパティの肉汁がジュワッと口いっぱいに広がります。

そして、ひとしきり肉の風味を楽しんだ最後に、お茶の香りがスーッと口から鼻へ抜ける! おぉ、スパイシーな肉の旨味とお茶の風味が絶妙。

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単品の「お茶バーガー」は、680円。週末限定販売です

「2017年の12月に、『茶ービスエリア』というイベントで限定メニューとして出したのがきっかけです。当日から好評ですぐに売り切れてしまったので、口コミでも『食べたかった~』という声をいただき、2018年1月から新メニューとして加わえました」

話してくれたのは「茶房 遊」の店長・朝比奈美紀さん。お茶バーガーに限らず、同店のメニューの多くは朝比奈さんが開発しているとのこと。

ちなみにお茶バーガーは、国産肉をベースにレンコンとたまねぎ、そしてお茶を練りこんだ特製パティに、抹茶や煎茶をブレンドしたクリームソースが決め手。

ちゃんと食べごたえもあるし、大満足です。

川根金時で
ひとときの涼を

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川根金時氷(450円 ソフトのせは+100円)

「茶房 遊」は、島田市中心街から日本三大銘茶のひとつ「川根茶」の産地・島田市川根町へ向かう道すがら、まさに川根地域の入り口にあります。

地元の人はもちろん、藤枝市や焼津市からドライブがてら寄る人や、なかには千葉県から来る常連さんもいるんだとか。お店の横にはテラスや芝生スペースもあるので、ペット連れでも安心です。

「三世代で来られるお客さんも多いですよ。おじいちゃんやおばあちゃんは甘いもので、お父さんとお母さんはお茶、お子さんはかき氷を楽しんでもらっています」

この季節のオススメは、宇治金時ならぬ「川根金時」。

お茶の渋みとつぶあんの甘み、そして冷たい氷。最高の組み合わせです。

「お茶のある生活」は
島田では当たり前

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「川根町は昔からのお茶どころで、お茶を売っているところはたくさんあるんですけど、当時はゆっくりと飲めるところがありませんでした。そこで18年前、『お茶と遊ぶ、時間と遊ぶ』をテーマにした喫茶店として、この『茶房 遊』をオープンしたんです」

島田の人にとって、お茶は身近すぎる存在。だからこそ、わざわざお店で飲むものという意識が薄かったようです。

「朝から、お茶と食事は一緒に食卓に並びますし、朝と昼と夜では淹れ方も違う。それに、小学校ではお茶の淹れ方教室が開かれるんですよ」

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しかし最近では、雑誌の特集などで取り上げられることも多く、お茶にハマる若い人たちが増えてきていると感じるそうです。しかもこの世代は、1杯500円以上するようなコーヒーにも飲み慣れているので、お茶を選ぶ際も本物志向で、とくに高級なお茶が人気なんだとか。

そして彼らは口を揃えて「お茶って面白いですね」と言ってくれるそうです。

そう、お茶ってまだまだ僕たちの知らない魅力があるし、お茶バーガーのように意外なほど何にでも合うので、本当に面白いんですよね。その奥深さを、あらためて「茶房 遊」で再確認できました。

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「朝日園 茶房 遊」

住所:静岡県島田市川根町身成4693
TEL:0547-53-4488
営業時間:10:00~18:00
定休日:9~4月 月~木(祝日を除く)、5~8月 不定休
公式HP:http://tea-asahien.com/

Top image: © TABI LABO
取材協力:島田市
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。